beacon

「怖かった」ことも改善。転向4年目、大津GK佐藤瑠星は安定性と止め切る力突き詰め世代屈指の守護神に

このエントリーをはてなブックマークに追加

GK歴4年目で世代別代表候補に。大津高の大型GK佐藤瑠星

 今夏のインターハイ屈指のGKは、転向わずか4年目の守護神だ。大津高(熊本)の佐藤瑠星(3年=合志市立合志中出身)は、191cmの恵まれた肉体を持つU-18日本代表候補GK。インターハイ熊本県予選決勝では、前半に立て続けのファインセーブで得点を許さず、4-0の快勝をもたらした。

 圧倒的な高さが魅力。加えて、光るのが安定感の高さだ。ハイボールや正面のシュートを確実にキャッチし、難しいボールはシンプルにパンチで回避する。「安定性、質はインターハイの県大会やプレミアリーグで一番意識していました。試合でミスすることは自分もあまり好きじゃないので。トライはするんですけれども、しっかり成功するようにしたい」。ゴール前で堂々とした立ち姿、安心感も印象的なGKだ。

 合志中時代の恩師の勧めで中学2年時の夏にGK生活をスタート。「やったら楽しくなった」佐藤はそのサイズ感への期待も受けて、1年半後には県トレセンメンバーにも選ばれるようになった。そして、「やっていく中で成長していきたい」という思いが強くなり、強豪・大津へ。期待の大型守護神は下級生からチャンスを掴み、成長を続けてきた。

 苦労したこともある。「(当初は)ボールが怖かったです。1対1になって至近距離になった時にシュートを打たれるのが怖くて、全部避けていました」。恐怖心は高校進学後もなかなか消えなかったという。だが、「慣れて行くしか無い、と言われました」。時間はかかったが、慣れるまで一つ一つ練習を重ね、改善させた。

 活躍とポテンシャルの高さが認められ、今年はU-18日本代表候補に初選出。関東大学選抜との練習試合に出場し、高校生とは異なるシュートの質の高さを実感したという。一方で手応えを得た部分もある。「ハイボールのキャッチとか、一本ビルドアップで自分の縦パスから得点が生まれたのは収穫になりました」。高いレベルの中に身を置いたことで目指すステージが明確になり、もっともっとレベルアップしなければならない再確認することができた。

 安定感に加え、現在は「1本のシュートを止め切るGKを求めています」。インターハイ予選は味方が押し込む中、1本のシュートで失点するシーンがあったからだ。誰よりも安定し、誰よりも高さを発揮し、止めるGKになること。インターハイでその目標通りのプレーをしなければ、目標の全国制覇を手にすることはできない。

「(目標は)全国制覇すること。チームを救って、まずシュートを打たせないことも大事なんですけれども、来た時は自分が止めてチームを勝たせたい。(見て欲しい部分は)自分の存在感。どのGKよりも安定していて、自分はデカさがあるので、そこはどのGKにも負けないようにしたい」。わずか4年間で急激な成長を遂げてきた佐藤が、こだわってきた安定感と止め切る力で大津を勝利へ導く。

Sponsored by PUMA

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

TOP