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日本代表W杯アジア最終予選メンバー発表 森保一監督・反町康治技術委員長オンライン会見要旨

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 日本サッカー協会(JFA)は4日、オンラインで記者会見を行い、カタールW杯アジア最終予選2試合の日本代表メンバーを発表した。今回はアウェー2連戦。11日にベトナム戦、16日にオマーン戦を行う。

 メンバー発表会見では森保一監督、反町康治技術委員長が約40分間にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

●反町康治技術委員長
「今度の戦いは11日のアウェー・ベトナム戦、そして16日のアウェー・オマーン戦になります。この2試合は今までにはない形で、アウェー、アウェーという形になっている。そうした意味では、選手の体調の管理や、色んな意味で我々の総合力、マネジメント力が問われると思っている。今の我々の状況は重々承知しているので、ここで最高勝ち点を取って日本に帰ってこれるように全力を尽くしてやっていきたいと思うし、応援して下さっている皆さんにも是非ともサポートして頂き、力を与えて頂いて良いゲーム、良い結果を持って帰ってこれるように頑張っていきたい」

●森保一監督
「日頃からサッカー日本代表を応援してくださっているサポーターの皆さん、いつも応援ありがとうございます。今度のW杯アジア最終予選、11月の戦いはアウェーでの2連戦となる。われわれがいま置かれている状況は非常に厳しい状況であることは認識した上で、土俵際での戦いを必ず残り6試合、全力でわれわれの力を出し切って一戦一戦戦うことで最高の勝ち点を勝ち取り、最終的にW杯出場権を勝ち取ることができるという強い思いを持って11月も戦いに臨みたい。まずはベトナム戦に向けて、アウェーでの戦いで厳しい戦いになると思うが、われわれが最善の準備をして、まずはベトナム戦に勝利できるように、次のオマーン戦も勝利を収められるように戦いに臨みたい。サポーターの皆さん、メディアの皆さんを含め、全ての皆さんとベトナム戦、オマーン戦も戦うことができれば幸いです。ぜひ共闘してください。よろしくお願いします」

——かなりフレッシュな顔ぶれになったが、メンバー選考の意図は。
森保「個人の評価ではなく、チームとしてどういう意図を持ってチーム編成をしたかをお答えしたい。まずは今回の11月のアジア最終予選に向けて、ベトナム戦、オマーン戦に勝利を収めるためにベストなメンバーを選ばせてもらったと思っている。まず招集メンバーだが、10月の代表戦も本来よりも多めに人数を招集させていただいたが、今回も現段階でフィールドプレーヤー24人、キーパー3人と従来よりもプラスの招集メンバーでチーム編成をした。理由としてはコロナ禍にあって、ベトナム、オマーンともにアウェーの戦いであること、コロナ禍で選手の入れ替えが難しいということも踏まえて多めに招集させてもらい、チームを編成している。選んだメンバーだが、これまでの代表の活動を通しての彼らのパフォーマンスであったり、次の11月の戦いに向けてやってもらえるだろうという選手だということと、選手個々の所属クラブでのパフォーマンスを見て、今回の招集につなげさせていただいている」

——9月、10月の予選は初戦で敗れた。初戦勝っていくためにどのような工夫をしようと考えているか。
森保「9月と10月の予選は初戦で敗戦という結果になった。その反省を踏まえて、今度のベトナム戦に臨まなければといけないと思っている。9月の初戦の敗戦を受けて、10月のサウジアラビアとのアウェーの戦いでは9月の痛い敗戦の中から改善点を修正し、結果的には勝利ということにはならなかったが、短い準備期間の中でわれわれが試合に向けてやらなければいけないことは修正できて、試合に臨むことができたと思っている。11月の戦いに向けて、まずベトナム戦だが、選手が全員揃うのが試合の前々日になる。トレーニングでもどれだけ強度が上げられるかはわからないが、ピッチ上でのトレーニング、全体でのミーティング、個別でのミーティングでそれぞれの役割を伝えたりしながら、与えられた時間でチームとして絵を持って戦えるように、選手がそれぞれの役割をクリアしながら思い切って戦えるようにしたい。コンディション的にはヨーロッパから集まってくる選手、日本からベトナムに集まる選手、3日前、2日前と選手の集合のタイミングも違ってくるので、個々の状態を見ながら準備していかなければいけないと思っている。いま考えているのはベトナム戦に向けて、まず選手たちの直近の試合の日程が違うので、そこから選手のコンディション、リカバリー具合を見極めることと、長距離の移動で時差もあり、気候が違う中で戦わないといけないので、自分たちが活動する環境と違った環境でプレーしなければならないことをしっかりインプットしてもらえるよう準備したい。コンディション的には暑熱対策として、日本もヨーロッパも涼しくなっている中、また気温が高いところで試合をしないといけないので、できる限りのところでコンディションを整えたいと思う」

——メンバー発表の表記でMF/FWという形になっているが、意図は。
森保「これまでGKとDF、MF、FWと表記を変えてメンバー発表をしていたが、FWとMFのところは特にだが、FWの表記でMFでプレーしてもらったり、MF表記でFWとしてプレーしてもらう選手がいたりということがあった。またDFの登録でもMFの役割をしてもらうことがあったので、特に攻撃的なMFとFWではどっちで起用するか決まっていないことが多いので、こういう形にさせていただいた。FWが多いとか少ないとか混乱させてしまうことがあるので、こういう形にさせてもらった。選手には今回は2試合だが、長期の大会など『複数のポジションをやってもらう』可能性があることを発信させてもらっているが、この表記でお伝えできればと思っている」

——オーストラリア戦は4-3-3がハマっていたが、今回の招集メンバーは三笘薫など4-3-3でプレーできる選手を選んでいる印象を受けた。選考に向けてのポジション、フォーメーションの影響はどれほどあったか。
森保「メンバー選考に4-3-3に特化した招集ということでないことはお伝えしたい。4-2-3-1でも3-4-3でもこれまで経験してきた中、培ってきた中で使い分けができると思っている。4-3-3だけではないということでお願いしたい。あとは4-2-3-1など、これまでの戦いでは長くやってきたが、前回のオーストラリア戦で内容的にもチーム状態が上がってきていて、結果も伴ったという部分で流れは大事にしていきたいが、ベトナムの現地に集合した時にトレーニングを通してコンディションを見て、戦い方の形を選択していきたいと思っている」

——今回の招集メンバーでJリーグ組が増えた理由は。第1戦がベトナムというのも影響しているのか。
森保「理由はどれか一つということではないし、総合的に考えてメンバーの招集をした。次のベトナム戦に向けてヨーロッパから集まってくれる選手と日本から集まる国内組の選手とではコンディション的に違うところが多少あると思うので、そこはどういう戦い方も選択できるよう選手を招集させていただいている。国内組が多いというのは、われわれが活動してきた中で、このチームの中で今回の戦いの中でベストな選択ということで選手を招集させてもらっている。本人たちのコンディションもわれわれは常にスカウティングしているが、非常にいい状態で11月の戦いに集まってきてくれるかなということで選ばせてもらっている」

——旗手怜央がDF登録になっているが、サイドバックで起用するのか。
森保「これは次から全部フィールド登録でいいかなと思っている。DFとして旗手のことを固定して見ているわけではないが、選考の段階ではDFもできるし、川崎Fでは前線のインサイドハーフをやることが多いが、両方ともできるということで今回はDFで置かせてもらっているという認識でいてもらえれば。ベトナムで集合してからトレーニングが始まってから、中盤あるいは五輪の活動ではトップもやってもらったことがあるので、状況を見て、チームの状態、彼の状態を見て決めていきたい。表記にとらわれず起用していきたい」

——ベトナムの印象はどう考えているか。
森保「2019年のアジア杯でも対戦した。その時には1-0でわれわれが勝利できたということは皆さんもご存知だと思っている。あの試合でもわれわれは苦戦して、1点差ということで勝利という結果になったが、ベトナムは監督が長期政権の中でチームづくりをしていて、ユース年代からA代表につなげているというところ、また2019年のチームよりもかなりレベルアップしていると思っている。今回の戦いも難しい戦いになると思うので、相手のチーム力よりもわれわれが上回っていけるよう、また相手が死に物狂いで戦ってくると思うので、相手の死に物狂い以上の戦いができるようメンタル面でも準備していきたい」

——ベトナムのような相手に対して3バックがいいのか、4バックがいいのか。どちらを考えているか。
森保「ベトナムは基本的に3-4-3、あるいは3-5-2というシステムを使い分けて戦っていると思う。今回ベトナムがどういう戦術を準備してわれわれに対して戦いに臨んでくるかわからないが、われわれはこれまでも4バック、3バックでも戦ってきた。基本的にはこれまで予選で戦ってきた4-2-3-1、4-3-3をベースに戦ったほうがいいかなと思うが、それはあくまでもキックオフ前の立ち位置だけであって、試合が始まってからはわれわれも可変しながら3バックになったり、4バックになったりということを試合の状況、流れの中でやっていかないといけないと思っている」

——昨日のリーグ戦で酒井宏樹が右足を痛めた仕草をしていた。大迫勇也が怪我が良くないと聞いている。現時点で11日の試合に出場できる状態なのか。
森保「選手の怪我の状態について、酒井宏樹の昨日の川崎F戦での相手と交錯して痛めていた。プレーできるのかなということでメディカルに確認してもらった。結論、プレー可能だということでメンバー発表で招集メンバーとして発表させていただいている。大迫に関しては昨日、私が神戸と仙台の試合を視察に行ってきた。60分過ぎから試合に出場して、プレーするという部分では問題はないかなということで、今日のメンバー発表で招集メンバーに加えさせていただいた。コンディションがどれくらい上がるかはもう1節Jリーグの試合もあるし、時間もあるので、確認しながら起用に向けて考えていきたい」

——ラモスさん、カズさん(三浦知良)、武田さんから激励する会があったと聞いた。どのような雰囲気だったのか。どのような激励を受けたのか。何を食べたのか。
森保「まずは写真が皆さんの目に入るような形になると思っていなかった。プライベートで武田さんが企画してくださって、ドーハで戦った仲間というか、武田さんがラモスさん、カズさんに話をしてくださって一緒に食事をすることになった。食べたのはお肉料理です。ということと、話した内容はいろんな雑談でそれぞれの近況を話しながら、サッカーに対する熱い思い、日本代表に対しての熱い思い、日本サッカー発展のためにという熱い思いをみんなで話しながら、ラモスさん、カズさん、武田さんの熱い気持ちを聞かせていただいた。かけてもらった言葉はとにかくドーハ組はみんな応援しているし、思い切って仕事をしてくれということを伝えられた。日本代表の厳しい戦いはもちろん分かっているけど、オーストラリア戦で選手たちが見せてくれたポテンシャル、力というのは間違いなく素晴らしいものはあるので、自信を持って残りの試合に臨んでくれと。みんながワールドカップに行けると信じて一緒に戦うということを言っていただいた」

——堂安律が選ばれていないが、追加招集の可能性はあるのか。
森保「追加招集も視野に入れて、彼のコンディションを見ていきたい。常に代表のメディカルチーム、ドクターとPSVのメディカルチームドクターと連絡を取ってもらいながら、常に彼のコンディションは把握している。最終的にどういう判断になるかわからないが、所属チームのPSVとコンタクトを取りながら、ヨーロッパリーグを終えた後に判断していきたい」

——三笘薫に期待することは。
森保「まずは彼の攻撃力をこれまでも五輪チームのほうで武器として使わせてもらいながら、彼のことを見てきた。いま所属チームでやっとレギュラーとして出始めたところで、彼がヨーロッパで戦う中でしっかり力をつけてきているのも確認できたし、日本代表の戦力としても彼の攻撃力は武器になるということで招集させてもらった。守備の部分ではもちろん、まだまだインテンシティ等々上げていってもらいたいところはあるが、所属チームでウイングバックという攻撃も守備もかなりハードワークしながらインテンシティ高くプレーしないといけないところをこなしているので、厳しいアジア最終予選の中で力を発揮してくれると思って招集させていただいた」

——新しいユニフォームはいつ発表されるのか。
反町「難しい質問で困っている。情報が入っているのでなんとも言えないが、入ってくればなるべく早くインフォメーションしたい」

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