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「厳しいゲームだった」…シュート23本放った東福岡、土壇場同点弾に延長V弾で決勝へ:福岡

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MF大渕来珠(3年=PLEASURE SC)が延長後半8分に決勝点を決めた

[11.6 高校選手権福岡県予選準決勝 筑陽学園1-2(延長)東福岡 ベススタ]

 第100回全国高校サッカー選手権の福岡県予選準決勝が6日に行われ、第2試合では東福岡高筑陽学園高を延長戦の末に2-1で下した。14日の決勝では飯塚高と対戦する。

「厳しいゲームだったなというのが率直な感想。筑陽の選手は一人ひとりが戦っていたので、それを崩すのは簡単ではなかった。できれば80分以内でとは思っていたが、そう簡単ではなかった」。準々決勝の希望が丘高戦はPK戦での勝利に続く熱戦を戦っての勝ち上がりに、森重潤也監督はまずはホッと胸をなでおろした。

 こじ開けた。前半29分にセットプレーのこぼれ球を押し込まれて先制を許した東福岡だったが、そこから一方的に攻め込むことになる。特に後半から投入されたMF大渕来珠(3年=PLEASURE SC)のキックの精度、後半12分から投入され、最前線に配置された186cmDF江本千泰(2年=ブリジャール福岡)の高さを生かしたプレーが何度も筑陽学園の体力を奪っていく。

 すると終了時間も近づき始めた後半36分、右サイドで獲得したCKを大渕が蹴ると、そこに飛び込んだのは主将DF段上直樹(3年=アビスパ福岡U-15)。試合を振り出しに戻す値千金ヘディング弾で、延長戦に持ち込むことに成功した。

 こうなれば流れは完全に東福岡だ。延長後半4分にCKからみせた波状攻撃は、FW林和喜(3年=吉塚中)のボレーがクロスバーを叩くなど押し込むことが出来なかったが、迎えた同8分、MF楢崎海碧(3年=ルーヴェン福岡)のクロスを合わせた林のシュートは今度は右ゴールポストを叩く。大きくエリア外にこぼれるが、拾った大渕がボールコントロールから左足を振り抜き、豪快なミドル弾を突き刺す。100分間で放ったシュートは実に23本。被シュートを失点した前半の3本に抑え込んだ東福岡が決勝へと勝ち上がった。

 福岡県連覇まで一勝。今季は新人戦を制したものの、インターハイ予選では準決勝で敗れたために、全国大会出場は叶わなかった。佳境を迎えるプレミアリーグでは現在8位。残留のために大事な試合は続くが、まずは高校サッカーの集大成となる全国大会の出場権獲得に集中したい。「次に繋がったので、もう一回気を引き締めて、決勝に臨みたい」。新興勢力の台頭が目立つ福岡県だが、2年連続22回目の選手権出場に王手をかける福岡の雄は、王者の座を簡単には手放さない。
 
(取材・文 児玉幸洋)
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