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[MOM3658]宇部工GK福永光起(3年)_後半に2つ、PK戦で3つのファインセーブ。雪辱の舞台で『有言実行』の活躍

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PK戦で西京高3人目のシュートを止めた宇部工高GK福永光起がガッツポーズ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.7 選手権山口県予選準決勝 宇部工高 0-0(PK4-3) 西京高 維新公園ラグビー・サッカー場]

 難攻不落の要塞のごとく、西京高の前に立ちはだかった。宇部工高GK福永光起(3年)は後半に2つの決定的なピンチを防ぎ、PK戦では3本をストップ。2002年以来、19年ぶりとなる選手権予選決勝進出の立役者となった。

 後半15分(40分ハーフ)、右からのセンタリングをファーサイドからヘッドで狙われたが、ゴールライン付近にたたきつけられたシュートに触り、ボールはクロスバーに当たりながらも外れた。後半アディショナルタイムの40+1分には、右からのパスが味方選手に当たったこぼれ球が、エリア内左サイドへ。西京MF石田駿一(3年)がフリーで待っていたが、「『これはヤバい』と思って、体が勝手に動いた」という動きで素早く間合いを詰め、体に当ててブロックして難を逃れた。

 PK戦では、中学時代にプレーしたクレフィオ山口FCのチームメイトで「絶対に止めたかった」という1人目の西京MF正木一成(3年)を左に、3人目のMF大城大輝(3年)のキックを右に飛んでストップ。最後は相手の6人目を右に飛んで止めて勝利を決めると、駆け寄ってきたチームメイトとともに、バックスタンドの応援部員の前まで走って喜びを爆発させた。
 
 1年前の雪辱を期していた。ちょうど365日前の昨年11月7日、選手権予選準決勝で西京と対戦。0-1で迎えた後半、先発した福永が相手のシュートをファンブルするミスから2点目を奪われると、チームは一気に崩れて0-5の大敗を喫した。

「本当に悔しくて、めちゃくちゃ泣いてしまい、3年生の先輩に『来年は絶対に勝ちます』とリベンジを誓いました」と振り返る。勝ち上がれば同じ準決勝で、ちょうど1年後に対戦する組み合わせとなり、「これは、やるしかない」との思いで雪辱の舞台に立って、『有言実行』の活躍を披露した。

 初出場を目指す14日の決勝も、雪辱を期して臨む。相手の高川学園高とはインターハイ(全国高校総体)予選準々決勝で対戦し、0-4で敗戦。3年連続27回目の出場を目指す難敵との対戦に向けて「次もリベンジに向けて、挑戦者の気持ちで頑張りたい」と言葉に力を込めた。

 決勝にはもう一つ、負けられない理由がある。高川学園のGK徳若碧都(3年)は同い年で、小学生のときは西岐波SSSで正GKの座を争うライバルだった。「そのときは負けたので、今度は倒したい」との思いを胸に、全国切符をつかみ取るつもりだ。

(取材・文 石倉利英) 
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