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磐田内定、静岡学園の10番MF古川陽介が勝利決定づける一撃!静岡予選MVPに!

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後半37分、静岡学園高の10番MF古川陽介が決めて2-0

[11.13 選手権静岡県予選決勝 藤枝東高 0-2 静岡学園高 エコパ]

 静岡学園高の10番MF古川陽介(3年=京都サンガF.C.U-15出身、磐田内定)が第100回全国高校サッカー選手権静岡県予選の最高殊勲選手(MVP)に選出された。古川はこの日、後半37分に今大会4試合で3得点目となるゴール。川口修監督は「相手に対策されている中でも彼はゴールを狙っていたと思うんですよ。そこらへんの嗅覚、ゴールに絡む点を獲ることを彼はやっている。良いところに入って決めてくれたと思います」と評価していた。

 古川はU-18世代屈指のドリブラーと言える存在だが、この日は藤枝東高にそのドリブルを警戒され続けていた。ボールを持つと2人、3人に囲まれ、ロストするシーンが増加。その中でも斜めに切れ込んでセットプレーを獲得したりもしていたが、決定的な仕事ができず、フラストレーションの溜まる展開だった。

 後半も古川に対する厳しいマークは継続。ただし、10番は「自分が中で受けて展開しようと思い始めて、前半の最後らへんから球離れを意識して、トラップして逆サイドに展開して、(自分が)ゴール前に入れば多分こぼれ球が来るからと思っていました」。サイドに張ってドリブルで仕掛けるだけでは難しい。アイディアを持ちながら中でボールを受けたり、すぐにはたいたりすることを意識。その上で「こだわっているので何枚来ても剥がそうと」プライドを持ってドリブルで仕掛け、相手にイエローカードを誘発したりしていた。

 上手く行かなくても、決めていたことがある。それは「チームのために走ろうとずっと決めていて、マークも厳しくて自分のやりたいことをさせてもらえなかったけれど、その分、ボールを持っていない時の動きや守備でチームを助けたいなと思っていました」。それを継続したことで古川は試合終盤に決定機を引き寄せた。

 1-0のまま迎えた後半37分、古川は、FW松永颯汰(3年)とMF小泉龍之介(3年)が粘ってゴール前にこぼれたボールを左足でプッシュ。「今日は気持ちの戦いにもなってくると思っていたので、そこで自分がこぼれ球のところに走り込めていたのは良かったと思っています」。最後の最後でゴールを破り、勝利を決定づけた。

 帰路につくバスに乗り込む直前まで自身がMVPであることを知らず。少し驚く表情を見せた10番は「(MVPの自分だけでなく、)チーム全員で掴んだ勝利、優勝なのでこれで満足せずに、全国大会でもっと強い静学を見せていきたい。あとはドリブルをもっと警戒されると思うんですけれども、それを超えるドリブルをしていきたい。もっと自分の形を増やして、ドリブルからのシュートであったり、クロスの質をもっと高めて、全国大会でもっと観客を魅了できるように頑張りたい」と誓った。

 準決勝でも決勝点を決めたように、大事な試合でゴールを決められる選手にも変化してきている10番。“王国”静岡のMVPプレーヤーが全国大会でもこだわりのドリブルに加え、周囲を活かす動きや守備、そしてゴールで静岡学園を勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)
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