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矢板中央が栃木県初の5連覇!! “選手権4強”の壁破る挑戦へ「今年こそ決勝、そして日本一を」

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矢板中央が5連覇達成

[11.13 高校選手権栃木県予選決勝 矢板中央1-0佐野日大 栃木グ]

 第100回全国高校サッカー選手権栃木県予選は13日、栃木グリーンスタジアムで決勝を行い、昨年度全国4強の矢板中央高佐野日大高に1-0で勝利した。FW藤野和哉(3年)が予選4戦連発となる値千金の決勝ゴール。矢板中央が5年連続12回目の選手権出場を決めた。

 矢板中央は昨年度、2年連続3度目の4強入りを果たした。1年時から全国で活躍した主将GK藤井陽登(3年)を筆頭に、主力の多くが昨年度の全国3位を経験している。今年度インターハイ予選決勝の同カードとなった決勝は、互いに堅守速攻のスタイルを掲げる名門校対決。高橋健二監督が「佐野日大との試合はいつもロースコアになる。予想通り厳しい展開でよく耐えてくれた」と振り返るとおり、決勝戦は拮抗した1点ゲームとなった。

 互いに4-4-2の布陣を採用し、矢板中央は前半7分に最初のビッグチャンス。GK藤井のロングキックを受けた左サイドハーフのMF唐橋玖生(3年)が相手を剥がしてシュートを狙うと、相手のブロックに阻まれたボールに藤野が反応。決定的な形で豪快な右足ボレーを打ったが、これは惜しくもクロスバーを叩いた。

 矢板中央は最終ラインから対角線のクロス、ロングボールを使ってサイドからの打開を試みる。対する佐野日大は徹底した守備で構え、出足鋭いプレスで相手のチャンスを阻む。本職がセンターバックの180cm寺田真紘(3年)を2トップの一角に据え、前線からの守備を強化。主将のSB落合莉唯(3年)が声で引き締め、DF高根澤賢(3年)を中心に強固なブロックを構築し、体を張った守備で跳ね返し続けた。

 ゴールレスで前半を折り返すと、後半開始と同時に矢板中央は2枚替え。FW小森雄斗(3年)とFW片岡駿太(3年)をピッチに送り込み、徐々に攻撃の圧を強める。ロングスロー、コーナーキックから立て続けにチャンスを創出し、後半10分には右FKの場面でDF畑岡知樹(2年)が精度の高いクロスを入れ、ファーサイドのMF大畑凜生(3年)がヘッドで合わせる好機を創出した。

 対する佐野日大も後半16分に2枚替えを敢行。FWヒアゴンフランシス琉生(2年)とFW田村一心(2年)を投入し、攻撃のスイッチを入れる。GK吉野翼(3年)を中心に堅守は保ちつつ、鋭いカウンターを狙った。矢板中央の攻撃も研ぎ澄まされ、小森のロングスローから片岡がシュートを打てば、畑岡のFKに小出が強烈ヘッドで合わせるなど、立て続けに先制機を迎える。

 佐野日大は後半24分にFW籾山陽紀(2年)、同31分に10番FW岩城杏璃(3年)を投入し、最後の猛攻に出る。後半33分には右サイド深い位置から田村がクロスを供給し、いい形で籾山が飛び込んだが、競り勝ったGK藤井がハイボールを冷静にキャッチ。後半37分にも籾山が粘り、田村が絶妙なスルーパスを通したが、惜しくもチャンスを逸した。

 0-0のまま延長戦を意識する時間帯となったが、矢板中央が次のチャンスを仕留めた。後半38分、大畑がPA左からクロスを入れると、相手のクリアボールをMF田邉海斗(2年)がダイレクトで折り返す。藤野のヘディングシュートは相手DFが跳ね返し、続く片岡のシュートもGK吉野が防いだが、混戦の中で藤野が左足で蹴り込み、先制のネットを揺らした。

 藤野は決勝戦でも勝負強さを発揮し、予選4試合連続ゴールで大会6得点目。終了間際には接触プレーで負傷したGK藤井がピッチに倒れ込み、GK羽渕莉人(3年)も準備したが、藤井がプレーに戻る。1-0のまま試合終了のホイッスルが吹かれ、矢板中央が栃木県史上初となる5連覇を達成した。

 矢板中央は直近4年間の選手権で4強3回、8強1回と存在感を高めている。高橋監督は「準決勝の壁を破りたい。準決勝では過去に得点できていないが、攻撃のパターンが出来てきた。昨年以上に攻撃力はアップしていると思う」と選手への期待をにじませた。「今年こそ決勝進出、そして日本一を獲れるように頑張っていきたい」。“全国4強”の壁を破る挑戦。矢板中央が選手権100回大会での初優勝に挑む。

(取材・文 佐藤亜希子)
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