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2発完封の大社は30年ぶりの島根連覇! 手にした自信とともに…88年度以来の選手権勝利を目指す

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大社は30年ぶりの島根連覇に

[11.13 高校選手権島根県予選決勝 大社高 2-0 立正大淞南高 島根県立サッカー場]

 第100回全国高校サッカー選手権島根県予選決勝が11月13日に行われ、大社高立正大淞南高を2-0で下し、2年連続11回目の出場を決めた。

 5年連続同一カードとなった全国切符を懸けた戦いは序盤、2年ぶりの出場権奪還を目指す立正大淞南が主導権を握った。大社がボールを奪って攻撃に転じようとするところで、FW加藤緒(3年)らの素早い切り替えで奪い返して押し込んでいく。前半7分と8分にはMF三原弘稀(3年)が立て続けに左サイドから持ち込んでシュートを放つなど、ゴールへの積極的な姿勢を見せた。

 しかし大社が18分、初めて敵陣深くまで攻め込んだチャンスで先制する。左サイドでパスを受けたMF持田優輝(3年)がドリブルでゴール前まで運び、エリア内に入ったところで鋭く縦に持ち出して立正大淞南DF伊藤陽翔(3年)を振り切ると、左足で逆サイドに蹴り込んでネットを揺らした。

 その後は立正大淞南も、MF三原やMF井川真飛(3年)の両サイドからの突破、CKからのトリックプレーなどでチャンスをうかがうが、大社も粘り強い守備からカウンターで追加点を狙う。前半アディショナルタイム1分過ぎには主将のMF角凌太(3年)がゴール前中央から左足で狙うも、立正大淞南GK長野大河(3年)がセーブし、こぼれ球もクロスバーに当たって決まらず、結局、そのまま大社の1-0リードで前半を終えた。

 立正大淞南は後半開始後に3人を交代出場させ、攻撃陣の顔ぶれを変えて同点を目指すが、前半同様にしっかり守った大社は後半の飲水タイム直後の22分、貴重な追加点を奪う。ゴールキックから空中戦の競り合いを制して右サイドにボールを運ぶと、エリア内に入り込んだMF角が角度のないところから左足で狙い、ニアサイドを抜いて2点目を奪った。

 2-0となったが、昨年度の決勝も大社が後半11分までに2-0としたものの、立正大淞南が後半30分とアディショナルタイム1分過ぎに得点して延長にもつれ込んでいる(延長を終えて2-2でPK戦となり、大社が勝利)。再現を狙いたい立正大淞南はサイドからの仕掛けを繰り返すが、大社も全員が体を張ってしのぐ。

 大社もカウンターからの3点目のチャンスを生かせず、立正大淞南が押し込む展開が続く。しかし2年生3人、1年生1人の下級生で固めた4バックを中心に、大社が最後までゴールを割らせず、そのまま2-0で勝利を収めた。

 昨年度まで10回の選手権出場を果たしている大社は、2年連続で出場したのは1990年度(4回目の出場)と91年度(5回目の出場)のみ。90年代後半以降に立正大淞南が出場回数を伸ばし続ける中、近年は単発の出場が続いていたが、2年続けて決勝でライバルを退け、30年ぶりとなる連続出場を果たした。

 次の目標は全国大会での勝利だ。大社が選手権で勝ったのは、3回目の出場だった88年度の1勝が最後。2019年に後長直樹監督が就任してからも、同年のインターハイ(全国高校総体)は1回戦で専大北上高(岩手)に2-3で、昨年度の選手権は初戦の2回戦で、堀越高(東京)に1-1からのPK戦で敗れている。

 昨年度の経験を踏まえ、後長監督は「全国で勝つことは、決して難しくはないとは思いましたが、でもやはり簡単ではなく、両面を感じさせてもらった」と語る。その上で「難しいと思ったところをコツコツ積み上げていくことと、選手たちに『我々にもできるんだ』『チャンスがあるんだ』という強いメンタリティーを持たせながら、対戦相手のスカウティングにも力を入れてやっていきたい」と、30年以上の空白を埋める全国1勝を誓った。

(取材・文 石倉利英)
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