[11.14 選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 2-1 市立船橋高 柏の葉]

「切磋琢磨してやってきているんですけれども、毎年絶対に負けたくない相手でもあるし、最後は市船さんを倒して全国に出たいという相手なのでリベンジできて良かったと思いますし、(ライバル関係は)これからも続いていくんだなと思っています」

　9年連続の決勝対決となった流通経済大柏高と市立船橋高。過去2年敗れていた決勝で雪辱した流通経済大柏の榎本雅大監督は、ライバルによって力を磨かれたこと、その相手に勝てた喜びを口にしていた。

　前半に逆転して迎えたハーフタイム、指揮官は「市船さんはこんなもんじゃないぞ。後半来るぞと。流経もこんなもんじゃないぞ、比べっこだぞと話して送り出しました」と振り返る。

　予想通り、市立船橋の反撃は勢いを増した。前半以上にボールを繋ぎ、中盤のラインを突破してゴールへ迫ってきた。前半ゼロだったCKは5本。ロングスローを連発するなど、流経大柏に圧力を掛けてきていた。

　だが、「絶対に市船にリベンジするんだ」とこの1年をスタートさせたというMF渋谷諒太主将(3年)やCB田口空我(3年)が相手の攻撃を跳ね返す。そして、先制点に繋がるミスのあったU-17日本代表候補GKデューフエマニエル凛太朗(2年)も高さを活かしてゴール前へのハイボールをキャッチ。また、流経大柏の選手たちは試合終盤も前線から連続でスライディングタックルを試みるなど運動量を落とさなかった。

　後半、「流経もこんなもんじゃないぞ」と表現した流経大柏。そのリベンジへの思い、勝利への執念で今年はわずかにライバルを上回った。渋谷は「市船のためにも、他のチームのためにも、(全国大会で)全部勝って優勝旗を持って帰ってきたい」。千葉のライバルたちの分も、全国で戦い、走り抜く。

(取材・文　吉田太郎)

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