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[MOM3677]流通経済大柏MF高足龍(3年)_準決勝は前半途中交代、弟の活躍…。悔しさも力に千葉名門対決で2発!

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前半35分、流通経済大柏高MF高足龍が右足シュートを叩き込んで同点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.14 選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 2-1 市立船橋高 柏の葉]

 今年はプレミアリーグEAST開幕戦から先発出場を続けていたが、「決定機を外したり。チームを勝たせられなかった」と振り返る。徐々に出場機会は減り、ベンチ入りしても出場できなかったり、アディショナルタイムからの出場だった試合も。今大会準決勝は先発したものの、戦術的な理由によって前半途中でピッチを後にしている。それでも、切り替えてトレーニングに励んできたMF高足龍(3年=FC杉野Jrユース)が、千葉名門対決で流通経済大柏高を勝利へ導いた。

 先制された流経大柏は前半35分、高足が相手のクリアミスを拾い、CKを獲得。直後のCKを左SB大川佳風(2年)が左サイドから蹴り込むと、ファーへ流れたボールを背番号22が右足ダイレクトで撃ち抜く。「いつもはフカしているけれど、抑えて打つことができた」という一撃が逆サイドのゴールネットに突き刺さり、1-1となった。
 
 さらに前半37分には、右サイドでこぼれ球を拾ったMF西岡亮哉(3年)がグラウンダーのラストパス。大外で蓋をする形で詰めていた高足が、右足ダイレクトで丁寧にゴールへ流し込んだ。「今までで一番嬉しかったです」という2ゴールで試合をひっくり返した。

 流経大柏は公式戦前一週間のトレーニングの状態によって先発が決まる。準決勝では思うようなプレーができないまま交代した高足だが、榎本雅大監督は「今週も引き続き調子が良さそうでやってくれるんじゃないかと思って起用しました」。悔しさを引きずらずにトレーニングし、先発奪取。本人も、指揮官も認める通り、今年、大事なシーンで外してしまっていたというMFが宿敵との決勝戦でヒーローになった。

 FC杉野Jrユース時代からテクニックを磨き、この日再三披露していたドリブルは自信を持つ武器だ。チームメートもその技術力の高さを評価しているが、一方で課題となっていたのが決定力。それを改善するために全体練習後、GKをつけてシュート練習を行ってきた。

 また、より自分の武器を発揮するため、日本代表MF三笘薫を参考にしてきたという。齋藤礼音コーチの助言もあって、プレーをチェック。「プレースタイルが似ている。テクニックはもちろんあるけれど、スピードや相手との間合いが凄く上手で、決定力もあって凄く参考にしています」という三苫から得られたものが大舞台で表現され、結果にも繋がった。

 高足の1学年下の弟、FW高足善(2年)は強豪・前橋育英高で出場機会を伸ばしているアタッカーだ。今回の選手権群馬県予選も6日の準決勝でゴールを決めるなど活躍。高足は「弟の方が前橋で選手権で3点取っていて、自分はまだ流経来て何もできていなくて悔しかった」と明かす。それでも、この日は悔しさを力に変えて2得点。また、勝利したことによって選手権での兄弟対決の可能性も繋いだ。

 憧れだった選手権のピッチに立つためには、またトレーニングからアピールしなければならない。主将のMF渋谷諒太(3年)は高足について、「小中から一緒にいて結構やんちゃなやつなんですけれども、試合になったら100%でやってくれる。パスも出しやすいし、信頼してやっています」と評価。その高足は自分が「チームを勝たせる」という覚悟を持ち続け、またチャンスを勝ち取って全国舞台で躍動する。

(取材・文 吉田太郎)
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