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“椅子蹴り倒し事件”から5年、敏腕代理人ライオラ氏が語るドルトムントとの関係「憎んでいただろう」

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ライオラ氏がドルトムントとの関係を語る

 敏腕代理人ミノ・ライオラ氏がドイツ『シュポルト1』のインタビューに応じ、その中でドルトムントとの関係についても語った。

 FWズラタン・イブラヒモビッチやMFポール・ポグバ、FWアーリング・ハーランドなど数々のビッグスターをクライアントに持つライオラ代理人。「年に一度はビッグディールを成功させている」と語る現在54歳のイタリア系オランダ人は自身の流儀について「選手が自分の息子だった場合、私はどうするのか?」と自分に問いかけながら交渉に臨んでいると説明。「私の選手のためなら戦争にも出向いて見せる。彼らのためには何でもやる覚悟がある。自分の息子たちのためのように」と強調した。

 インタビューでは2016年にドルトムントでプレーしたMFヘンリク・ムヒタリアン(現ローマ)を巡ってハンス・ヨアヒム・バツケCEO(最高経営責任者)と激突したことについても言及。「私は彼の情熱に感服する。彼のドルトムントに対する情熱は、私のプレーヤーたちに対するものと同じだ。もちろん、私たちの利害は一致することはない。ヘンリク・ムヒタリアンを巡って彼と大喧嘩したことがある」と振り返った。

 インタビュアーに「バツケのオフィスで椅子を蹴り倒したと言われるが?」と問われ、このように続けた。

「私は人生の中でたくさんの過ちを犯した。私は本当に完璧から程遠い人だ。ただ、自分の選手たちに害があると感じたら声を上げることもある。(スポーツディレクターのミヒャエル)ツォルクとは非常に悪い関係だった。本当に救いのないぐらい最悪だった。彼は私を本当に憎んでいただろう。そのような嫌悪が友情になるとは想像すらできなかった。私は彼を限りなくリスペクトしている。彼は自分のクラブを命をかけて守っているんだ。彼との交渉は難しかったね。だが、アーリングが今、ドルトムントでプレーしているのは彼のおかげだよ」

「私は車が大好きだ。メルセデスベンツS63 AMGとアウディRS 6のどちらかを選べるとしたら、悩むだろ?いずれも優れた車だ。アーリングは当時そういう選択に立ち向かっていた。そこでツォルクがRS 6に対するS63 AMGの利点を説明した。アーリングに『そこにいるイメージが湧く。そこで僕は成長できる』と言わせるように、彼はクラブを売り込んだ」

「ドルトムントは大きな発展を遂げた。あのクラブは国際サッカー界で模範になり得る。ドルトムントは絶対的なスーパータレントを獲る。当時、アーリングのような、まだあまり知られていないのに、それでもコストの高い選手を加えるだけの度胸があることを示した。ハーランド、(ジュード)べリンガム、(ジェイドン)サンチョはそれぞれそれだけの価値を持つ大規模な投資。あと1年ためらっていたらあのようなプレーヤーを絶対に誰1人確保できなかっただろう」

 なお、ドルトムントでは現在ブンデスリーガで最も市場価値が高いと言われるハーランド(transfermarktの評価額は1億5000万ユーロ=約194億円)のほか、FWドニエル・マレン、2軍にはMFイマヌエル・フェライとライオラ代理人のクライアントが3人所属。“椅子蹴り倒し事件”から5年間以上経過し、ツォルクSDも今夏には同代理人を「極めてプロフェッショナル」と称するほど良好な関係が築かれているようだ。

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