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[横山杯]父の母校・清水東で台頭し、目立つ存在に。1年生FW山崎太耀は点取り屋として進化遂げ「夢」実現へ

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清水東高注目の1年生ストライカー、FW山崎太耀

[12.26 YOKOYAMA MEMORIAL CUP決勝T1回戦 清水東高 0-0(PK4-5)習志野高 グリーン土合グラウンドB面]

 静岡の伝統校・清水東高(静岡)に楽しみな1年生FWがいる。FW山崎太耀(FC桜が丘出身)は、「~YOKOYAMA MEMORIAL CUP2021~」決勝トーナメント1回戦屈指の好カードとなった習志野高(千葉)戦で存在感。1トップとして先発した山崎は相手の厳しい寄せの中でもボールを収め、鋭く前進してシュートシーンを生み出すなど攻撃の中心になっていた。

 175cm強と上背があり、狭い局面で失わずに味方へ繋ぐ巧さや柔らかさもある。また今年、2学年上の選手たちと対峙してきたこともあり、フィジカル負けも少なくなってきているという。今大会は神奈川4強の三浦学苑高戦(25日)で2ゴールを決めて2-1の勝利に貢献。この日はPK戦5人目で登場してスパッとシュートを決めて見せたが、チームは惜敗に終わった。

 山崎は「(前日に)点を取れたので良いイメージで来たんですけれども、もうひと頑張りみたいなところはあります」。元々中盤、SHで清水東進学後にFWへ転向した山崎は、色々なことが高いレベルでできる印象。もちろん、それも重要なことだが、本人も、渡邊勝己監督も“惜しい”“もうひと頑張り”から強烈な武器を持ったストライカーになることを求める。

 今大会はインターハイ予選で5試合連続ゴールを記録して清水東を決勝へ導いたFW中山大耀(2年)が不在。マークが集中する中でのプレーを強いられ、前線で孤立してロストしてしまう場面もあった。また、この日の前半は習志野に主導権を握られる展開。そのような展開でも1チャンスを逃さずに決めて、チームを勝たせなければならない。

「(求めていくのは)点を決めるところですね。点を決めないとストライカーとしてダメだと思うので。今日は貢献できていなかったから、点を決めてチームが勝てるようにしていきたいと思っています」

 父は清水の山崎光太郎スカウト。清水東時代の95年にU-17世界選手権(現U-17ワールドカップ)に日本の10番を背負って出場し、その後清水や甲府でプレーした名手だ。父の影響もあり、「何となく小学校から(清水東へ行くと)決めていたというのがありました」と微笑む。

 普段、サッカーで指摘されることはほとんどないというが、ピッチ外の生活面や食事について受けているアドバイス。「(父の存在は)大きいですね。サッカー始めたのも影響ですし。比べられるんで、絶対に恥じないようにというのはあります」。父のようにプロ、というよりも山崎は「高校サッカーで全国に行くというのが昔から夢だったので、その先はあんまり考えていないです」。

 選手権優勝1回、同準優勝3回、インターハイ優勝4回という特別な歴史を持つ清水東も選手権は90年度、インターハイも92年度を最後に全国舞台から遠ざかっている。静岡県内屈指の進学校でもある清水東が王国・静岡を勝ち抜くのは簡単ではないが、自分が在籍する残り2年間で夢を実現すること。そのために「トップなんで決め切る。少ないチャンスで決め切って、最近東高が全国行けていないというのがあるので、全国大会で良い結果が出せるように頑張りたい」と誓った。質の高い選手が複数いるチームの中で連係と点を決める力を磨き、清水東を全国へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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