[12.31 全国高校選手権2回戦 三重高 0-6 前橋育英高 NACK]

　来季から活躍の場をJリーグに移す男が、今大会初ゴールを記録した。

　前橋育英高(群馬)の背番号10を託されるMF笠柳翼(3年)は、来季からJ2のV・ファーレン長崎に加入することが決まっている。初戦の草津東戦でチームは4-0の快勝を収めたものの、自己評価は「最悪」。持ち味を発揮するには至らなかったが、2回戦ではきっちりと仕事をこなした。

　的確なポジショニングでボールを呼び込み、鋭い動きで対面する相手を翻ろう。時にはパスをさばき、時にはドリブルで守備網を突破するなど、攻撃にアクセントを加え続けた。

　後半12分には左サイドからのラストパスでMF小池直矢(2年)の得点をアシスト。そして、同17分には待望の瞬間が訪れる。左サイド高い位置でのボール奪取を成功。相手選手に囲まれていたものの、1人、2人、3人と鮮やかにかわすと、右足のシュートでネットを揺らした。

　得点後には右の拳を力強く握りしめる。「勝てたことが大前提だけど、攻撃の選手が全員決めていた中で自分も決めたいと思っていた。良い感じで抜けて最後決め切るだけだった」と喜びを表しつつ、ここで満足することはない。「ゴールとアシストという結果で示せるように、チームを勝たせられる選手になりたい」と次戦以降もチームに勝利をもたらすゴールを狙っていく。

(取材・文　折戸岳彦)

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