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3冠狙う“最強”青森山田…6失点完敗の大社が感じた前半の隙、後半の圧

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大社MF角凌太(3年)が試合を振り返る

[12.31 選手権2回戦 大社高 0-6 青森山田高 駒沢]

 青森山田高は今シーズンで全国高校総体、高円宮杯プレミアリーグEASTの2冠を達成。最後の冠である選手権制覇を果たすべく、初戦となった2回戦・大社高戦で6-0の勝利を収めた。試合後、大社の後長直樹監督と、主将のMF角凌太(3年)が内容を振り返った。

 青森山田の黒田剛監督が「前半はかなり硬くて、うまく入れなかった選手も数名いた」と認めるように、前半は拮抗状態。大社は相手の強度に耐えつつ、角やMF島貫心(3年)らの流れるようなパスワークで青森山田を翻弄。連係攻撃からチャンスを作った。「つなげるところはつなげて、大社らしいサッカーは発揮できた」(角)。一方的な展開にはならず、どちらが点を奪ってもおかしくない状況のまま、スコアレスで後半に折り返した。

 後長監督は自身の分析結果を明かす。青森山田は、高円宮杯プレミアリーグEASTの16試合中13試合で先制に成功。「(青森山田が)前半に勢いを持ってやってくるというのはリサーチしていた。先制すれば、相手が乗ってくる。逆にいえば、こっちが粘れば粘るほど、相手に焦りが出てくるということ。そこで一本、二本差せないかなと、プランニングはしていた」。指揮官の策は半分成功。大社の先制とはいかなかったが、スコアレスのまま、前半40分を終えることができた。

 しかし、ハーフタイムを終えると、青森山田は冷静さを取り戻した。後半3分に得点を奪い、一気に攻勢を強める。後半アディショナルタイムまでゴールを奪い続け、大量6得点で試合を終えた。

 後半40分で圧倒された大社。後長監督は敗因を2つ挙げる。「点差がついてくると、どうしても精神的に保たない。日常では感じ続けられないフィジカルで、体力が保たなかった。それが同時に合わさった」。

 大社の主将・角も当然、強敵・青森山田の“強さ”は覚悟していたという。「相手はプレミアリーグでプレーしていて、球際の強さも動画などを見てわかっていた。いつもよりもっと強くいかないとボールが取れないし、負けてしまうのはわかっていたので、強くいきました」。だが、相手の強度はそれを上回った。「失点してしまってから、メンタルの切り替えがしっかりできなかった。みんなの集中が切れ、複数失点をしてしまった」。

 後長監督は、青森山田のメンタル面も改めて評価している。「(北国という)地理的なハンデを、自分たちが成長する糧に充てられている。立ち振る舞いを含めて、全部員や関わられている方たちが、勝者のメンタリティを持っている点は、学ぶべきところが多い。勝負強さが非常にあった」。

 研究されても跳ね除ける強さを持った青森山田。2年連続で準優勝に終わった雪辱を、今度こそ頂点で果たせるか。2日の3回戦では、阪南大高(大阪)と相まみえる。

(取材・文 石川祐介)

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