beacon

東山CB新谷陸斗がU-17日本高校選抜主将に就任。「本当に負けず嫌い」はまとめること、勝つことにこだわる

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-17日本高校選抜の主将、CB新谷陸斗(東山高)

[2.18 練習試合 U-17日本高校選抜 4-5 駒澤大]

 CB新谷陸斗(東山高2年=セレッソ大阪U-15出身)がU-17日本高校選抜の主将に就任した。新谷は昨秋のJヴィレッジドリームカップでU-17日本高校選抜のゲームキャプテンを務めていたプレーヤー。当時は怪我のFW福田師王(神村学園高2年)の代役という形だったが、経験のあるDFは静岡合宿初戦となった駒澤大戦でチームを声とプレーで引っ張っていた。

 主将就任について、新谷は「責任感というところと、U-17の高校を代表するという部分で不甲斐ないプレーはできないですし、自分のプレーだけでなくて、バラバラに入ってきている選手たちをまとめられる力をつけられるようにしたいなと選ばれた時には思いました」と説明する。

 まず取り組んでいることは「ゲーム中に喋ること」「ピッチ内外でまとめること」。チームの雰囲気作りに気を配り、その上で「ゲームで勝つというところにこだわってやりたい」と意気込む。自分自身について「本当に負けず嫌い」と明かす新谷は、勝つために「上手い子たちなので、一人ひとりの個人技を出せる状況を作っていけたら」とU-17のタレントたちの力を引き出す狙いを口にしていた。

 その新谷はこの日、最終ラインの中央で責任感強い守備。PAへ鋭く侵入してくる相手に対して身体を投げ出してストップし、コンビを組んだCB津久井佳祐(昌平高2年)とともにシュートを一本一本確実にブロックした。味方のミスで失点しても落ち込むことなく、前向きにプレー。また、持ち味で、より安定感を増したビルドアップ力を発揮し、相手のプレッシャーを剥がして持ち上がるシーンもあった。

 一方で課題に挙げたのが、空中戦についてだ。駒澤大の選手達は斜めの助走から高い打点でのヘッド。174cmの新谷は自由にプレーさせないことが精一杯だった。「競り勝てないのは正直分かっていたので、競り負けないことを意識していました。(自分が競り負けてしまうと)カバー入っている人たちにも迷惑がかかっていますし、さらにやっていかないといけないというのは確実に分かっているところです」。大学王者の競り合いを肌で感じ、高めるべき課題を再確認。カバーリングを得意とする新谷は前に出て潰す部分の強化、2次攻撃や得点に繋がるプレーも求めていく考えだ。

 新谷は第100回選手権で東山初の8強入りに貢献し、優秀選手選出。「ただ守ってというところで少し良かったかなとは思いますが、自分的にはまだ満足していないので。優秀選手に入れたのは一つ嬉しいですけれども、個人の目標である代表に入っていくことをやっていかないといけない」と満足はしていない。

 インターハイ、選手権の準々決勝で敗れた青森山田高(青森)は目標とするチームだ。「山田はヘディングとかフィジカルの部分でどこの高校よりも強かったと思いますし、練習のところの雰囲気が僕たち東山高校はまだまだ劣っているところ」。レギュラーの半数以上を残す今年、チームへの期待値は大きい。技術的な部分に加えて、王者との戦いから学んだ雰囲気作りとフィジカル強化を進めて1年後の国立で日本一になることを目指していく。

 U-17日本高校選抜主将の経験は、年代別日本代表、日本一を目指す新谷にとって貴重なもの。個々の意識高く、雰囲気も良いチームが一体となって勝つことを後押しし、結果を残して今回の合宿を終える。

(取材・文 吉田太郎)

●【特設】高校選手権2021

TOP