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“23年現役引退”の長谷部誠、現役生活に未練を残しつつも…「チャンスを逃す手はない」

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オンライン取材に応じた長谷部誠

 長谷部誠はあとは現役生活への未練を断ち切る方法を探しているようだった。「引き際?それは僕も知りたいです」。元日本代表キャプテンは苦笑いを浮かべながら答えた。

 先日、フランクフルトから23シーズン限りでの“現役引退”が発表されたこともあり、日本メディアに向けたオンライン取材に応じた。「いろんな可能性がある契約。23年が終わったら引退する可能性は高いけど、まだやる可能性もある。ただチームからの信頼を感じるし、嬉しく思っています」。現役続行の可能性も残っていると含みを持たせた長谷部だが、指導者の道に進むことに関心が強まっていることも認めた。

 クラブは2月18日に長谷部と27年6月までの大型契約を結んだことを発表。その内容は23シーズンまで選手として過ごしたあとに、コーチングスタッフに就任するという異例の契約で、今年1月の誕生日で38歳になった在籍8年目MFへのクラブからの最大限の誠意が示された形だった。

 長谷部自身はクラブ幹部らと多くの話し合いを行ったという。その中で、自身の“人間力”への評価を一番に感じたと話す。「監督やダイレクターが言ってくれるのは人間性の部分。彼らは指導者のポテンシャルを感じてくれているのかもしれません」。随所に現役選手への未練をのぞかせつつも、「もしかしたら(選手を)続けるかもしれないけど、次のステップを考えたときにこれだけのチャンスを与えてくれている中で、そのチャンスを逃す手はない」と続けたように、いいきっかけにしたいとも考えているようだ。

 現在、長谷部は現役生活を続けながら、ドイツでのB級指導者ライセンス取得を目指して受講中。本人は「自分のドイツ語では講習を聞いていても何言っているんだろうなと思うこともある。もっと若い時にやっておけばよかった」と苦笑いを浮かべるが、「成長するポテンシャルがどれだけあるかで、才能を凌駕することもあると教えてもらった。なるほどなと思ったし、学生に戻った気分」と充実を語る。現場指導についても、講習の一貫として、U-15世代などの指導にあたっているという。

 引退後は日本サッカー界との関りも期待されるが、それについては、まずは自分自身のために指導者としてレベルアップを図りたいと強調する。「自分が高いレベルの中にいられたら、学ぶことも多く、それが最終的に日本サッカーのためになればいいが、日本サッカーのためにという前提があるわけではない」とキッパリ話すと、「講習を受けさせていただいている中で、選手と監督コーチで教える違いを感じていて、そこで面白さも感じている。指導者の道に進むのは、かなり可能性があると考えている」と未来に目を向けた。

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