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U-21日本代表vsU-23クロアチア 試合前日の大岩剛監督会見要旨

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大岩剛監督

 U-21日本代表は23日からドバイカップU-23に参戦。大岩剛監督は22日、現地からオンラインで前日会見を行った。23日にクロアチア、26日にカタール、29日に順位決定戦を行う。

 以下、試合前日の大岩剛監督会見要旨

──暑い印象があった。寒暖差や気候の影響は。
「ドバイであったり、中東の遠征になればこういうことは予想し得るということ。選手たちも順化は意識させているし、意識してやってくれている。明日の気候がどうなるかわからないが、しっかり準備をする。着いた日はすごく寒かった。これからどうなっていくかは注意深く、きょうの練習も含め、そういうところをしっかりと準備したい」

──長距離移動や時差を体験した。若い世代で経験する意義とは。
「今回のドバイ遠征は、いろんな方の協力があって実現できている。当然その感謝と同時に、過酷だが今後の自分たちにとってみれば、非常に有意義な遠征になると思う。ホテルの中もけっして恵まれた環境ではない。そういうことも含めて、そういう中でもしっかりと力が発揮できる、発揮をしなければいけないという状況は非常に有意義。この3試合で、しっかりとそれを選手たちがピッチで表現できるようにしてあげたい」

──改めて初戦に向かう心境はどうか。
「日本代表として戦うわけで、これからほかの国の代表と戦うひとつ目、初戦になる。そういう責任や誇りも、彼らは身に沁みながら戦うことができる。彼らにとって非常に重みのある試合だと思うし、しっかりとした準備をしたい」

──きのうの練習後、監督の厳しい表情が見えた。
「いいトレーニングが最後にできていたので、意識高くできていたし、それがすばらしいことだよ、と伝えた。ただ、これは続けないと意味がないし、そういう意識の高さがこのグループを上に向かわせ、全員が前進していけると思う。いいトレーニングをもっともっと続けていこうという話は、最後にしたような気がする」

──大畑歩夢が離脱した。メンバーの適応力が試されるか。
「サイドバックのところは内野(貴史)を招集する際にもコメントしたが、手薄なポジションであり、いろんなシチュエーションを加味している。当然こうなることも想定しながら、ほかの選手も離脱することを予想しながら招集メンバーを選んだ。追加招集をしないという規制がある中で招集したが、成瀬(竣平)といった両サイドができる選手もいる。ほかの選手も、スクランブルであれば、対応しなければいけないが、いろんなシチュエーションを想像してやっていきたい」

──合流の遅れ、途中離脱の選手もいる。制約もある中で、メンバー選びで考えていることは。
「さっき顔を合わせたが、きょう入った選手、2戦目で帰る選手、当然それも頭の中に入れて選手を招集した。過密日程の中でプレーをしてもらうというところは大前提の上で選手にも伝えている。まず、そういう準備をしっかりしてもらう。あとは選手交代も含め、どのタイミングでどういう状況で誰を、というところは、準備することと即興性。何が起きているかをしっかりと見極めながら、選手起用はやっていきたい」

──起用できるメンバーの人数はどれくらいを想定しているか。
「私たちコーチングスタッフの中では、しっかりと準備をさせるという気持ちでいる。ただ、その中できょう入った選手、いま怪我を抱えた選手も何人かいるので、そういうのも含めながら、この3試合でどういう布陣で、どういう風に、勝つための準備をしていくかという流れをしっかりと汲んだ上で、明日の一戦目・クロアチア戦に向けて、先発メンバー、ベンチメンバーを決めていきたい」

──クロアチアは他大会の影響でファーストチームの構成ではない。印象はどうか。
「直近の試合を観ても、来ていない選手もいて、分析がままならない状況。当然これも想定内。そういうことを想定しながら、準備をしながら、あとはピッチの中で。ゲームが始まった瞬間にそういうところの分析をして、選手にしっかりと認識をさせる。見てしっかりと認識をして、自分たちがどういう風に攻撃守備をすればいいか。きょうの段階で、しっかりと提示していきたい」

──先日の会見で「タフさ」を求めると言っていた。その真意は。
「前提として、彼らにタフであってほしいということと同時に、現時点でタフではないと言っているわけではない。タフな選手は当然いる。ただ、たとえば出場機会だったり、自チームでレギュラーとして出続ける選手もいるし、まったく試合に絡めていない選手もいる。現時点で全員が全員タフじゃないと言っているわけではない。タフでい続けなければいけないと伝えている。自分が成長するためには、いろんなことに対して対応しながら、自分自身を高めていく。そのためにはベースの部分、肉体的なタフさ、精神的なタフさ、試合に出られるか出れないか、怪我をしたかしないか、いろんな状況を彼らは今後経験するので、その中で自分たちは何がターゲットなのか、何を目指しているのか。ここがブレなければ、タフでい続けられる。このグループの中にいる選手それぞれがしっかりと自分の中でタフさを求め続けていく集団である、というのが私が求めるところ。そのタフさはいろんな側面であるが、技術的な部分も含めて、成長しうるということも大前提で、今後も求めていきたい」

──A代表を見て思うこともあるか。
「いま最終予選で一番大事なところを戦っている。ギリギリの戦いをするときに、それぞれのコンディションが最高であり続ける、い続けるということ。それは自チームでもしっかりとしたパフォーマンスを見せることであり、代表に招集されても、過密日程だろうが長距離移動だろうが、そのときにしっかりとパフォーマンスを出せる選手の集団だと思っている。そこを目指すのであれば、われわれもそれに見合うようなタフさを求めなければいけない。タフでいなければいけないと感じている。U-21の選手たちは、今できるできないではなく、この先そういう意識を持ちながら、タフでい続けてほしいということは求めていきたい」

──ボランチに個性派が揃う。選手選びで共通している要素は。
「安心感、安定感、さっきのタフさにも表れる。A代表でいえば、遠藤航であったり守田(英正)であったり(田中)碧であったり、そういう選手は絶対にブレない。パフォーマンスが安定している。それがチームの心臓であったり、へそであったり、そういうのを担える選手。しっかりと信頼されるような存在だと思う」

──先発メンバーを考える上で、セットプレーのキッカーはどれくらい想定しているか。
「はっきり言ってしまうと、今回の段階では50%くらい。先発メンバーに対して、キッカー、セットプレーの重要性も含めて、50%くらいでしかない。ただ、もっと重要な試合だったり、公式戦のギリギリのところに行くのであれば、当然その割合は60、70になる。それは右、左、CBの人選にも含まれるし、それがセンターFWになるかもしれない。高さという部分でも、選手選考のひとつの基準にはなりえる」

(取材・文 石川祐介)
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