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パリ五輪世代、初陣へ。「笑顔の10番」斉藤光毅が欧州で感じる成長の実感

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ウォーミングアップで笑顔を見せる斉藤光毅

 パリ五輪を目指すチームの初陣となるドバイカップU-23。そのチームで大岩剛監督が「10番」を預けた選手が、欧州から合流してきた斉藤光毅だった。

 久々に代表のジャージに袖を通し、同じ国旗の下に集う同世代のライバルたちと言葉を交わし、そして久々の国際大会へ臨む。U-16から各年代で代表を経験してきた斉藤にとっても、あらためて特別な時間が始まっている。

「胸が躍るような感覚です」

 ただ、「まだまだ目指しているところは上。A代表のことを思えば少しも満足できない」と強調するのを忘れないのは斉藤らしいところである。そして「楽しむことが大事」と語るところも変わらない。

 練習中にカメラを向けても「笑顔」のシーンがしばしば収まってくるのは日本でプレーしていたときと変わらないが、本人としては別の気持ちもあったようだ。

「日本語が恋しかったのはありますね。日本語で話しながらプレーするのは楽しいですし、それにラクですし(笑)」

 ベルギーのロンメルでは通訳も付けずにプレーを続けているだけに、日本語を話す機会はやはり稀少。ただ、それだけに語学力のベースは上がってきた実感もあるようだ。

「まだ全然しゃべれてないんです感覚ですけど、日常生活は問題ないです。他の日本人が僕と他の選手が話しているのを観て『めっちゃ喋れてるじゃん!』と言ってきたりすることもあります。そういうときに自分の成長を感じますね」

 そしてプレー面でも欧州のサッカーに触れる中で違いを感じながら新しい自分を模索してきた。

「球際の部分もそうですけど、ベルギーと日本の違いって、日本のほうが上手いし、ちゃんとサッカーをする。欧州は球際とか強いし、ちょっと競技が違う感じがする。強度の高さに慣れてきたことは大きい」

 当初は激しさに戸惑い、負傷もしてしまったのは「慣れるまで時間がかかった」ゆえだろう。ただ、いまは「慣れてきて伸び伸びプレーできるようになったし、楽しめるようになった」と言う。

「最初はちょっと迷ってプレーして、それはスタッフやチームメイトにも伝わってしまった。逆に楽しくプレーできていれば相手にも伝わるし、自分も楽しい。それに伴って、味方も認めてくれた。ステップアップした時にも、この半年の経験は生きると思います」

 19日のベルギー2部第25節・ベフェレン戦では豪快なダイビングヘッドで今季4点目もマーク。笑顔満面でチームメイトからの祝福を受けている様子も印象的だった。いよいよ迎えるパリ五輪代表としての初陣に際しても、心構えは変わらない。

「あんまり気負わず。楽しみながらやっていければと思っています。(10番に)ふさわしいと思われるようにもなると思うので、自分らしいプレーをしていきたい」

 ドバイカップU-23は、日本時間の23日21時からクロアチアとの初戦で幕を開ける。

(取材・文 川端暁彦)
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