beacon

最終予選V字回復の立役者…決勝点に絡んだ守田英正「勝てると思っていた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

インサイドハーフとして定着したMF守田英正

[3.24 W杯最終予選 日本2-0オーストラリア シドニー]

 W杯アジア最終予選でV字回復のカギを握ったことの一つには、昨年10月12日にホームで行われた第4戦・オーストラリア戦(○2-1)で、ダブルボランチからトリプルボランチへとシステム変更したことだろう。インサイドハーフとして4-3-3システムを機能させ、個人としても存在感を見せてきた日本代表MF守田英正(サンタクララ)が、大一番となったアウェーでのオーストラリア戦でも大事な働きをした。

 シュートの打ち合いとなった前半を0-0で折り返し、迎えた後半は「より真ん中でボールを持てるようになって、相手が前半より疲れていたのが分かった。より後ろから安定したボールを供給できた」という。

 そして、やってきたのが後半44分の先制シーンだ。MF原口元気のパスを受け、右サイドのDF山根視来へ。折り返しを途中出場のMF三笘薫が決めた。目を引いたのはそのときに守田がPA内まで侵入していたことだ。その理由を聞かれると、「僕個人的には勝てると思っていたし、後半はだいぶ相手も疲れているのが見えてきていた。高い位置までボールを運べたら絶対に点を取るチャンスがあると思っていた」と指摘。戦況を冷静に見つめながら、最適なポジショニングを取っていた。

 “引き分けでもいい”という考え方ではなく、“失点ゼロで行く”という意識で試合を進めていたことも明かした。失点しなければ最低でも勝ち点1を手にできるという意識の持ち方。これが0-0で進行していた終盤でも受け身にならないことにつながった。

 今後は本大会を見据えた成長が必要になる。その点を聞かれると「個の成長」を課題に挙げた。「今はインサイドハーフで出ているけど、やはり数字にもっと貢献しないといけない。相手が強くなればなるほど、最終的に個の力でだれかが頑張ったり、だれかが一人抜いたり、決め切るというところがすごく大事になる」。

 この日の決勝点は守田、山根、三笘の流れで取った。川崎Fで培ったコンビネーションが生かされた形だ。「今は人と人との関係性でうまくできている部分があると思っている。逆を言えば個のところでもっとできないといけない」と語った守田。冷静に自分を見つめる様子が、さらなる伸びしろを感じさせていた。

(文 矢内由美子)
●カタールW杯アジア最終予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧
●2022W杯カタール大会特集ページ

TOP