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U-21日本代表vsU-23カタール 試合前日の大岩剛監督会見要旨

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大岩剛監督

 U-21日本代表は26日、ドバイカップU-23の第2戦でU-23カタール代表と対戦する。大岩剛監督は25日、現地からオンラインで前日会見を行った。23日のU-23クロアチア代表戦には1-0で勝利。26日のカタール戦後、29日に順位決定戦を行う。

 以下、試合前日の大岩剛監督会見要旨

──U-23カタール代表の印象は。
「映像を見ても非常に力のある選手も多く、スピードのある選手も多い。テクニカルスタッフやコーチングスタッフを見ても、さまざまな国の方がいる。非常に現代的なサッカーをする印象がある」

──日本代表が2019年アジア杯で敗れている。ヨーロッパナイズされたサッカーの印象も。
「若干システムは違うが、コーチングスタッフにスペイン人もいて、チリ人だったり南米系もいる。当時から組織的でテクニカルなサッカーをやっているが、いまもその流れはあると思う。幅を使った攻撃もしてくる。ただ、ウィークポイントは何点か見受けられる。われわれはそういったところを突きながら、環境、ピッチコンディションも含めて、いい準備をしたい」

──クラブ事情で途中離脱の選手や負傷者もいる。カタール戦のメンバー選考の構想は。
「出場しなかった選手を積極的に使いたいと思う。ただ、いろんな状況があるので、それをしっかりと加味しながら選手選考は行っていきたい」

──A代表がW杯出場を決めた。大岩監督の目にはどう映ったか。
「ぎりぎりの戦いだった。気候、環境、試合までのアプローチ、いろんなプレッシャーがあり、ピッチの中では相手との駆け引きや戦いもある。そういうものが、サッカー選手としての大きさになる。すべてが関わって、舞台に立って勝つという偉業を成し遂げる。そこに向かう道は一筋縄ではいかないし、一足飛びにはいかない。だからこそ、われわれは一つひとつの試合、練習で、ああいう刺激を受けながら、ああいう選手たちを目指すと。ああいう環境を体感した選手たちも何人かいる。それをしっかり自分のスタンダードにして、日常を変えていく。それしか方法はない。選手たちがしっかりと感じ、気づき、それを自分自身の行動で変えていく。A代表は最終予選を戦う中で、ブレないながらも、システムや戦い方は変化してきた。そういう中で、どういう選手がチームとして必要とされるのか、チームで力を発揮できるのか。そこを目指すと、どんな環境でも、どんなシステムでも、どんな戦術でも、自分の力が出せる。そういうプレーヤーをしっかりと見極めて、育てていきたい。A代表に負けないようなグループにしていきたい」

──目の色が変わった選手はいたか。
「昨日はセパレートで練習したので、少人数で練習した。話をする場面はあったので、そういう話をした。目の色が変わる、プレーが変わる選手もいた。ただ、これは言われてから、見てからでは遅い。気づいてそれを行動に起こすことが大事。外部から刺激されるのも大事だが、気づいてそれを自分自身に変えていく選手であってほしい」

──カタールW杯の段階でA代表入りする選手が、さらに出てきてほしいという願いがあるか。
「報道を見て、いまA代表で試合に出た選手、A代表に関わっている選手が、ここからが戦いとコメントしていた。W杯に向けたコメントだが、そういう選手たちも目の色を変えて、自分自身を高めていくだろう。そんな簡単な気持ちでグループに割り込んでいけるとは思っていないが、そういう気概や欲がみなぎっている選手が出てくることを願うし、当然アプローチもしていく。なんとしてでもそこに入るというパワーがある選手がいてくれるといい」

──冨安健洋や堂安律はロシアW杯直後から呼ばれていた。主力候補に食い込む選手が出る勢いを高めていきたいか。
「名前が呼ばれるような選手が出てきてほしい。カタールW杯ではいい成績を収めて、みんなにまた興味を持ってほしい。そこにわれわれの世代の選手が入っていくことが、おそらくわれわれのグループが大きくなる最低限のところ。非常に期待をしたい」

──A代表にほしいと思われる武器が必要か。
「われわれの中にもいろんな特長を持った選手がいる。スピードや中盤での運動量、ゲームコントロール力、サイドバックに求められる要素を備えている選手もいる。あとは、それをいかに解き放つか。限界があるとして、これくらいでいいという限界なのか、これくらいしかできないという限界なのか。ミスを怖れずやってほしい。解き放つとは、ミスをしながらもっと高いレベルまで持っていく気持ち。そういう選手であってほしい。常々言っていることは、ミスを怖れるのがミスということ。ミスして自分で気づいて修正することを、繰り返していくことによって、レベルは必然的に上がっていく。名前を挙げると、(鈴木)唯人などはみんなから期待されているが、それで変に収まらないように。(藤田)譲瑠(チマ)もサイドバックの半田(陸)も、A代表に負けない素質は持っている。それをいかに解き放つか。変に限界線を作らないようにやってほしい。それはすべての選手にいえる。報道でも皆さんに期待されている選手たちなので、まだまだできるし、もっともっとやってほしい」

──23日のU-23クロアチア戦を振り返って。
「監督という立場で、日本代表を背負うということはなかなかない。君が代を聞いて、本当に感慨深いものがあった。選手の近くで戦う気持ちは鹿島時代を思い出した。コーチングスタッフと試合後に話した。羽田(憲司)、浜野(征哉)、矢野(由治)などは国際経験もしていて、Jリーグのクラブでも活躍していた。そういう人たちと、なんか懐かしいねと、こういう舞台楽しいねと。緊張感のある試合はわれわれもすごく刺激されるし、選手たちにもそれを訴えている。真剣に一試合一試合、目の前の試合に向かっていくという姿勢で臨んでいる。緊張感やある意味楽しさなど、クロアチア戦では感じることができた」

(取材・文 石川祐介)
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