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MF中山竜之介が基準示すような強度、隙逃さない動き。昨年知る選手は自身と青森山田のレベルを引き上げる

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青森山田高MF中山竜之介が相手の前に身体を入れてボールを守る

[4.3 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 市立船橋高 0-2 青森山田高 グラスポ]

 なかなかボールが落ち着かず、差が生まれなかった序盤戦。その中でキャプテンマークを巻いた背番号6が、その強度で青森山田高に流れを傾けていた。

 MF中山竜之介(3年=三菱養和SC巣鴨ジュニアユース)は復帰へ向けてリハビリ中のDF多久島良紀主将(3年)に代わり、ゲーム主将として先発出場。右SBとして選手権優勝を経験している中山は、ボランチの位置で青森山田の基準となるべき強度、ボールへの執着心を表現し、五分のボールを味方に傾けていた。

 同じく昨年の経験者であるFW小湊絆(3年)は、チームの現状について「(インターハイ、選手権、プレミアリーグEASTで優勝した)去年に比べたら全然まだまだだなと普段の練習から感じているので、そういうところでは去年のAチームを経験していた数人は分かっているので、今年からAチームに入ってきたやつらを引き上げていかないといけない」と語っていた。その小湊とともに、中山は22年度初の公式戦でまずやるべきことを仲間たちに示していた印象だ。

 競り負けたり、かわされるシーンもゼロではなかったが、身体を張った守備やシュートブロックなど昨年の経験者としてチームを引き上げるような動き。1-0の後半34分には左サイドで相手ボールをインターセプトし、小湊のPK獲得を演出した。勝負どころで相手の隙を見逃さない力も表現。チームの開幕戦勝利に大きく貢献した。

 ただし、試合中、黒田剛監督から修正力の部分を繰り返し指摘されていたように、前任のボランチMF宇野禅斗(現町田)やMF松木玖生(現FC東京)と比べると、チームのバランスを取る力も、技術力、ボール奪取力もまだまだ。本人は理解した上で、よりレベルアップを目指す意気込みだ。

「これから夏に向けて、中盤の運動量やボール奪取を増やして、前にボールを送れるようにしていかないといけない。僕と(小栁)一斗のところで去年くらいのレベルまでいかないとプレミアは優勝できないと思う」。自分がよりパフォーマンスを上げてチームのパフォーマンス、モチベーションを上げること。自分自身をよりレベルアップさせながら、チームの基準、力も引き上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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