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パリ世代の有望株が決勝点をお膳立て! ゴール前でも輝く横浜FM藤田譲瑠チマ「練習からこだわっているところ」

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ベトナム帰りで「さっぱりしたかった」と髪を短く刈ったMF藤田譲瑠チマ

[5.7 J1第12節 横浜FM 2-1 名古屋 日産ス]

 横浜F・マリノスに今季加入したMF藤田譲瑠チマが、アジアの厳しい戦いを経験しながらたしかな進化を遂げている。直近の試合で目立っているのは、相手ゴールに近いエリアでの働きだ。この日は後半42分、周囲と絡みながら前方に駆け上がると、鋭い動き出しからのラストパスでFW西村拓真のシュートをお膳立て。これが相手GKのファンブルを誘い、FWアンデルソン・ロペスの決勝弾につながった。

 藤田によると、得点シーンで意識していたのはパスを出した後の動き直しだったという。「出した後に動くというのを監督・スタッフからすごく言われていたので、前方向に動くことを意識して走ったら前のスペースがあった。最初は自分で前を向いてシュートもあるかなと思ったけど、(西村)拓真くんが中に入ってきたので、ワンタッチでいいところに落とせばゴールに入るかなと思って落とした」。絶えず動きながらも冷静な状況判断が活きたワンプレーだった。

 この日はMF岩田智輝のアクシデントを受け、前半30分に投入。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では先発機会こそ2試合にとどまったが、他の4試合も途中出場で出番を与えられるなど信頼を積み重ねてきた。

「去年、今年は途中から入る試合が多くなっていた中、途中から試合に入る慣れも少しずつ出てきたし、途中からでも自分の良さを出せる自信はついてきた。もちろんスタメンから出ていいプレーをしたいけど、途中からを求められているので、精一杯やって結果を出せればいい」。スタメン奪取に向けて「このチームで90分走れる力がもっと必要」という課題にも取り組み、序列を着実に上げている。

 数的不利を強いられたACLグループリーグ第4節シドニーFC戦の終了間際には、スルーパスを岩田に通し、A・ロペスのダメ押しゴールをお膳立てするなど、ゴール前での輝きも増している。「このチームのサッカーをしている限り、相手のゴール前でサッカーをするシーンが多くなる。最後のパスの質、アシストだけでなく、アシストの一個前のパスの質は練習からこだわっているところでもある。そういったところが試合で出せているかなと思う」。この日の勝ち越しゴールも、そうした積み重ねの賜物だった。

 育成年代から“ボックス・トゥ・ボックス”をカバーする素質に定評のある藤田だが、ゴール前の怖さも兼ね備えれば、さらに大きな武器になる。「監督からはどこにボールがあってもボランチの選手は関わることが大事と言われている。運動量はあるしキツイけど、いまはそれをしっかりやらないといけないし、やることができればいいサッカーができる」。岩田の負傷による戦力ダウンが懸念される横浜FM。ここから優勝争いをリードしていくためには、パリ五輪世代を牽引する藤田の飛躍が欠かせない。

(取材・文 竹内達也)
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