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[MOM3840]日体大柏FW古谷柊介(3年)_覚悟のPK決め、勝負決定づける一撃。快足アタッカーがエースの仕事

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後半39分、日体大柏高FW古谷柊介がこの日2点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.8 関東高校大会千葉県予選準決勝 暁星国際高 1-3 日体大柏高]

 前回の失敗を払拭し、見事な2発で日体大柏高を勝たせた。10番MF古谷柊介(3年=柏レイソルA.A.TOR'82出身)は前半11分、チームトップのスピードを活かした抜け出し、切り返しのクロスで相手DFのハンドを誘ってPK獲得。古谷が前回の試合でPKを失敗しているため、ベンチはキッカーにFWオウイエ・ウイリアム(3年)を指名した。だが、古谷は勇気を持ってキッカーに名乗り出る。

 そして、右足シュートを左へ決めて先制点。「ここで蹴らないとエースじゃないなと思って。(失敗したPKと)同じコースに決めたので嬉しかったです」。根引謙介監督も「『自分が』、って言って乗り越えるメンタルはストライカーだなと思う。絶対にそれは必要だと思いますし、蹴った彼を褒めてあげたい」と称賛した“覚悟の”PK弾。ゴールで乗ったエースはその後も左サイドでの抜け出しや、カットインシュートでゴールを目指し、守備でもハードワークを続けていた。

「基本チャレンジするのが良いと思っているので、どんどん縦へ仕掛けてファウル取れるところはファウル取って、点決めれるところは点を決めていこうかなと自分のところで思っていました」。50m走は5秒9。野田市立岩名中時代は陸上競技でも活躍し、800m走で千葉県大会に出場している古谷は自慢のスピードと体力を攻守で発揮した。

 そして、左SHからFWへポジションを移して迎えた後半39分に勝負の行方を決定づける一撃。縦パスに反応した10番はボールの落ち際を右足ダイレクトで叩き、2点目のゴールを決めた。「(1点差とされ、)押されていてちょっとヤバいんじゃないかと思った中で、自分がFW行って、裏抜けて、決められたのは良かった」。2ゴールでチームを関東大会へ導いた。

 古谷は日体大柏のグラウンドでトレーニングする柏レイソルA.A.TOR'82出身。「流経、市船が選手権とかずっと決勝で戦っている。それを自分たちが壊さないといけない。日体に入ったのもそういう理由ですし、この流経、市船がいない大会とか県リーグとか全部勝って突き放さないといけない」。そのためにどの試合でもゴールを決められる選手になることを目指している。

「自分が試合に出れば絶対に勝てる、点を獲ってくる、そんな選手になりたい。スピードと裏に抜ける動き、あとは対人・球際ではあんま負けないと思っています。課題はまだ取られることが多いので、絶対に取られないようにすることと、チームとしてのコンビネーション。右ではできているので、自分のサイドでももっとできるように得点などを増やしていきたいです」。通学時に日本代表MF三笘薫の映像をチェックし、緩急の活かし方などを学習中。流通経済大柏高や市立船橋高撃破、全国制覇という目標を達成するためにより成長し、強力アタッカー陣をエースとして引っ張る。

(取材・文 吉田太郎)

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