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[MOM3881]九州国際大付MF濱田大夢(3年)_先輩の助言通り、「14」の重圧楽しんでスーパーFK弾

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後半26分、九州国際大付高MF濱田大夢が右足FKを決めて同点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.5 インターハイ福岡県予選決勝 九州国際大付高 1-1(PK12-11)飯塚高 小郡市陸上競技場]

 エースナンバー「14」が笑顔で、楽しんで、九州国際大付高を初優勝へ導いた。MF濱田大夢(3年=ギラヴァンツ北九州U-15出身)は、チームが後ろに重心を置いた戦いを選択した中、トップ下の位置で高いキープ力を発揮。「自分にボールが入ったらどんどん仕掛けて一本狙おうと思っていた」と単騎でも仕掛けるなど貴重な攻めどころになっていた。

 前半はなかなか濱田までボールが届かず、後半も飯塚の堅守を破るまでには至らない。そして、チームは後半21分に失点。ここまでシュート3本に封じられていた九国大付は追い込まれていた。

 だが、26分、濱田がチームを救う。敵陣中央、ややゴール寄りの位置でFKを得ると、背番号14が右足を振り抜く。ボールは壁に入った飯塚高DFの頭をかすめてゴール方向へ向かうと、右ポストを叩き、ゴールの内側へ跳ね返った。

 濱田は、前日の東海大福岡高戦でも後半終了3分前に個人技で決勝点。再びスーパーゴールを決めたエースは、「負けている場面で自分が何とかしようと思っていて、チャンスが来たので気持ちを込めてしっかりと狙ったら良いところに行って、それが運良く入ったので良かった。『また、自分が仕事したな』と思いました」と微笑んだ。

 1人目、12人目を務めたPK戦では、余裕のあるキックで2度成功。その濱田は、前任の「14」で注目ストライカーだったFW吉田晃盛前主将(現新潟医療福祉大)からの助言を意識してプレーしていた。

「『楽しみながら、笑顔でサッカーをしろ』と言われていて、自分も落ち着いて楽しめたかなと思っています」。重圧のFKも楽しんでゴール。フィジカル能力や推進力、決定力に秀でた吉田と162cm、58kgの濱田ではタイプが異なるが、先輩以上に「14」を楽しんだ新エースが激戦区・福岡の壁を破った。

 ギラヴァンツ北九州U-15で10番を背負ったテクニシャン。「インターハイ、選手権で全国に出ることを小さい頃からの目標にしていました。小さい頃はヒガシ(東福岡高)が強くて、自分はそこを倒して全国に出たいと」という濱田は、U-18チームへの昇格ではなく、東福岡を追う立場の強豪・九国大付への進学を選択した。

 この日の対戦相手は東福岡ではなかったが、前回全国16強の飯塚を破って全国大会出場権獲得。その濱田は、全国大会でもドリブルからのシュートやチャンスメークなど自分の武器を存分に発揮し、「自分もプロに行って活躍するのが夢なので、しっかり叶えられるように頑張りたい」という2つめの目標・夢に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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