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[MOM3894] 松本国際MF矢越俊哉(3年)_川崎そだちのゲームメーカーが見据えるのは関東の強豪大学への進学

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信州の注目タレント、松本国際高MF矢越俊哉

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.4 インターハイ長野県予選準決勝 松本国際 2-0 松本一 長野Uスタジアム]

 堂々としたその姿はベスト4に出揃ったチームの中でも最も際立っていたかもしれない。ボールを繋いで崩すサッカーを志向する松本国際高の中心で、攻撃のリズムを作っているのは間違いなく彼だった。

「ずっとサイドバックからセンターバックとかで外回りだけで回してても絶対にいけないので、どこかでその自分がスイッチ入れる、縦に行くことを意識すると相手の目線もまた変わってくるんで、そこでアクセントをつけることを意識しています」


 キャプテンマークをつけて10番を背負うMF矢越俊哉(3年)はピッチ中央で攻撃のフィルターとしてボールをさばき、外を使ったと思えば自ら前線へ侵入してく。多彩な攻め手に松本第一の守備陣は手を焼いていた。結果的に2-0で勝利したこの試合でも2つのゴールを呼び込む。

 1点目は右CKのキッカーとして「練習してた」トリックプレーの起点となり、岸琢人の先制点をアシスト。2点目は右サイドの高い位置からファーへゆるやかなボールを送り、混戦を蹴り込んだ高城泰史の得点を引き出した。コンダクターとしての役割を果たし、決勝の舞台へチームを連れて行った。

 もともと神奈川県で育った矢越は、小学生時代に川崎フロンターレのジュニアに所属。その後、久保建英の出身クラブであるパーシモンを経て中学時代は川崎CHAMPでプレーをし、ジュビロ磐田U-18の10番を背負う菊池将太郎とともにチームの過去最高史跡を塗り替えた黄金世代の一員となった。

 卒業後は県内の公立高校へ進学するつもりだったが、県外で戦うことを進められ、松本国際へ進学。最上級生となった今、前述したようにチームの中心選手として活躍している。

「チームの中でやらなきゃいけないことにプラスアルファして自分の特長を出せれば、自分の技術には自信があるし(大学からも)声がかかると思うので、チームのこともやりつつ、自分の良さを出していきたいなと」

 卒業後は関東1部の強豪大学へ進学することを目指している。持てる技術やピッチ上での風貌、そして彼のサッカー観をトータルして見ると、4年間を経てスケールアップする可能性を秘めているように思う。

 長野で躍動する川崎そだちのゲームメーカーを覚えていて、損はないだろう。

(取材・文 竹中玲央奈)
●【特設】高校総体2022

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