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「勝ちに等しい引き分け」広島が土壇場の森脇弾でドローに持ち込む

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[4.21 J1第7節 広島1-1名古屋 広島ビ]

 サンフレッチェ広島は、ホームで名古屋グランパスと対戦した。後半17分にDF田中隼磨のゴールで先制を許した広島だったが、後半ロスタイムにDF森脇良太が豪快なミドルシュートを突き刺し、1-1の引き分け。土壇場で公式戦3試合ぶりのゴールとなる同点弾を決め、これで今季のホーム公式戦は5戦負けなし(3勝2分)となった。対する名古屋は公式戦8戦負けなし(4勝4分)としたものの、18日のACL天津泰達戦(0-0)に続く2試合連続のドローとなった。

 広島はMF山岸智が公式戦3試合ぶりに先発復帰を果たした。一方の名古屋はDF阿部翔平が体調不良でベンチ外。代わってDFダニエルを起用。中央にDF田中マルクス闘莉王、右にDF増川隆洋、左にダニエルという3バックを今季初めてスタートから採用した。

 序盤は名古屋が高いポゼッションで主導権を握った。前半23分には中央をFW玉田圭司がドリブル突破し、左サイドを駆け上がり、MF小川佳純にパスを出す。小川はGKと1対1となるが、飛び出した西川周作がコースを消しながらしっかり対応。シュートを足で弾いてゴールを割らせなかった。

 すると徐々に広島もチャンスをつくり出す。前半31分、FW佐藤寿人がヘディングでファーストシュートを放つと、同41分にもMFミキッチからのグラウンダーのクロスに佐藤が右足で合わせた。いずれもGK楢崎正剛の正面を突いて先制点とはならなかったが、ここまで5得点と得点ランキングトップを走るエースにボールを集め、名古屋ゴールに迫った。

 0-0で折り返した後半、お互いの攻撃はさらに勢いを増した。すると後半17分、名古屋が試合を動かす。左サイドでボールを受けた小川がMFダニルソンにスルーパス。ダニルソンのクロスボールにファーサイドで待つ田中隼が狙い澄ましたヘディングシュートをゴール左隅に突き刺した。田中隼の昨年6月15日の新潟戦(4-0)以来となるゴールで先制に成功した。

 得点後、余裕の出た名古屋はゆっくりとしたボール回しからチャンスをうかがう。広島もカウンターから名古屋ゴールに迫ろうとするも、GK楢崎の牙城を崩すことができず、試合は終盤に入った。

 ところが、このまま試合終了かと思われた後半ロスタイムにドラマが待っていた。直前のプレーでドンピシャのヘディングシュートを楢崎のビッグセーブに阻まれていた森脇が今度は左サイドのPA外でボールを受けると、中央に切り込み、左足でミドルシュート。ゴール左隅のクロスバーを叩いたが、ボールは真下に落下。そのままの勢いでゴールに吸い込まれた。

「1点を追う展開で苦しかったが、選手がよく頑張ってくれた。勝ちに等しい引き分けです」。試合後、森保一監督は安堵の表情を浮かべ、諦めなかったイレブンを称えた。一方、土壇場で追いつかれ、“勝ち点2”を失った形の名古屋のストイコビッチ監督は「森脇のシュートは素晴らしかったが、最後あのような結果になって悲しい」と話し、怒りがおさまらない様子だった。

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