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5年ぶりの横浜ダービーは、俊輔のFK2発で横浜FMが勝利

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[10.10 天皇杯3回戦 横浜FM 2-1 横浜FC 日産ス]

 天皇杯は10日に3回戦を行い、日産スタジアムではJ1の横浜FMとJ2の横浜FCが対戦した。5年ぶりの神奈川ダービーは前半25分、MF中村俊輔の鮮やかなFKで横浜FMが先制する。後半3分にも中村は直接FKを決めて、2-0と点差を広げた。ジャイアントキリングを狙う横浜FCも、後半13分にDF渡邉将基が1点を返したが、あと一歩届かず。横浜FMが2-1で勝利し、4回戦に駒を進めている。

 横浜FMは6日の広島戦(0-0)で出場停止だったFWマルキーニョスがスタメンに復帰した。一方の横浜FCは3日前に行われた大分戦(2-1)からDF井手口正昭、FW大久保哲哉を除く9選手を入れ替えて、この試合に臨んだ。

 立ち上がりからボールを回す横浜FMは、前半3分にFWマルキーニョスが遠目からゴールを狙う。その後もMF兵藤慎剛がミドルシュートを放つなど、横浜FCゴールに迫った。対する横浜FCも前半15分に右サイドからMF小野瀬康介が折り返したボールをPA内でMF高地系治が合わせるが、シュートは大きく枠を越えて行った。

 試合が動いたのは前半25分だった。横浜FMは、中村がDF渡邉将基に倒されてFKを獲得する。これを中村が蹴るとボールは左ポストの内側を叩き、右サイドネットを揺らして先制に成功する。同30分には横浜FCも右サイドから中に切れ込んだ小野瀬が左足のシュートを枠に飛ばしたが、GK榎本哲也にパンチングで弾かれた。このまま前半は横浜FMが1点をリードして折り返す。

 後半開始直後、1点を追う横浜FCは細かくパスをつなぎ、FW大久保哲哉の落としたボールを高地が左足で合わせたが、ミートしきれずにゴール右へ外れて行った。良い入りを見せた横浜FCに対し、再び中村の左足が火を噴く。後半3分、マルキーニョスが倒されてFKを得ると、中村が左足を一閃する。このシュートが決まり、横浜FMが2-0にリードを広げた。

 後半8分に横浜FCの山口素弘監督は、FW難波宏明を下げてFWカイオをピッチに送り出す。しかし、点差を広げて余裕の出来た横浜FMは、落ち着いたボール回しを見せて、横浜FCに反撃する余地を与えない。同10分には中村が左に展開したボールをDFドゥトラが折り返し、FW小野裕二が頭で捉えたが、ボールは左に外れる。その1分後にも中村のFKをDF青山直晃が、ヘッドで合わせたがGK関にキャッチされた。

 難しい展開となった横浜FCだが、後半13分にやや距離のある位置でFKを得ると、カイオが直接シュートを狙った。低い弾道のシュートは壁の裏にいた渡邉に当たって浮き上がると、GK榎本の頭上を越えてゴールに吸い込まれた。同21分に横浜FCは、MF野崎陽介を大久保と交代させる。交代直後に野崎は中盤でボールを奪い、佐藤とのコンビで右サイドを突破する。ゴール前にクロスを折り返したところをカイオが受け、シュートまで持って行ったが横浜FMのDFにブロックされた。

 同27分には横浜FMが左サイドの深い位置でFKを得る。中村の挙げたクロスが再び決定機をつくったが、シュートはGK関に抑えられた。後半30分を過ぎると、1点を追う横浜FCが立て続けにシュートを放つ。30分にはMF八角剛史のミドルシュートが、クロスバーをわずかに越える。その1分後には小野瀬の縦パスに抜け出した高地が、右から中に切れ込んで左足でシュートを放つが、ミートできずにGKに抑えられた。

 横浜FCは後半34分に最後のカードを切る。アンカーの八角をベンチに下げ、MF内田智也を左SHに入れて、高地をボランチに落とした。横浜FMも同40分に斎藤を下げて、MF富澤清太郎を起用する。同42分には右サイドを抜け出した中村の折り返しを、マルキーニョスが合わせるが、GK関が好セーブを見せる。そのCKからの流れで、再びマルキーニョスが決定機を得たが、シュートは右ポストに嫌われて試合を決定づけることができない。

 何とか追い付きたい横浜FCも45分、左サイドからDF中野洋司が折り返したボールを、ゴール前でカイオが合わせたが、ボールはクロスバーを越えて行った。ロスタイムにもカイオが距離のある位置から左足でゴールを狙ったが、シュートはGK榎本に防がれた。このまま2-1で横浜FMが5年ぶりのダービーを勝利している。

(取材・文 河合拓)

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