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[Fリーグ]逆転弾でホーム初勝利を呼んだ町田FP金山「勝ち点を重ねながら修正できている」

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[12.9 Fリーグ第21節 町田3-1大分 町田総合]

 待望のホーム初勝利に、ベテランも頬を緩めた。6月の開幕から半年が過ぎたが、ペスカドーラ町田は、ホームでの未勝利(1分5敗)が続いていた。迎えた21節のバサジィ大分戦、前半を3-1とリードした町田は後半も大分の反撃に耐え、ホーム初勝利を記録。逆転ゴールを決めたFP金山友紀は「ホッとしました」と安堵の表情を見せ、「思い切り振り抜いた結果、ゴールに入って良かったです」と、決勝点を振り返った。

 リーグ戦序盤、35歳のベテランはケガのため出場できない日々が続いた。その中でチームも結果を出せず、下位に低迷した。「ようやく復帰できても、すぐにW杯の中断期間になって、チームの力になれなかったから、申し訳なかった」と言う。その想いを晴らす活躍を、中断明けから見せている。前節の浦安戦(4-4)ではハットトリックを記録し、チームの無敗記録を4に伸ばし、この日は決勝点を決めて見せた。

 記録に残るだけでなく、ベテランは記憶にも残るプレーを見せ続けている。後半に入り、パワープレーに出た大分に対し、前線からプレスを掛け続け、数的優位をつくって攻めてくる相手に攻撃を組み立たせなかった。ホーム初勝利を記録し、無敗記録も5に伸ばしたチームは、下位に低迷していることが、信じられないような戦いを見せている。金山は16節の名古屋戦(3-4)が大きかったと振り返る。

「最後は逆転されて負けてしまったのですが、名古屋を相手に終盤までリードできていました。あの試合、結果的には負けましたが、それまで勝てずに不安があった中で、首位の名古屋を相手に互角に戦えて、自信を取り戻すことができたんです。そこからチームとして我慢ができるようになりました」

『忍耐力』は、今の町田を支えるキーワードだろう。この日も先制点を許したが、粘り強くチャンスをつくり続け、見事に逆転に持ち込んだ。後半も相手のパワープレーに対し、忍耐強く対処し、最後までゴールを許さなかった。「理想は後半に追加点を取れて、4-1、5-1で勝つことですが、そこまでの力はまだチームにありません。でも、こうやって負けないで、勝ち点を重ねながら課題を修正できているのは、本当に良いことだと思います。これまではパワープレーされても、耐えることができずに追い付かれていたと思いますが、今は耐えられることをベースに次の課題に取り組める。今日も負けていたら何も残りませんでしたが、勝ちながら修正できることは本当に大きい」と、金山は胸を張った。

 次節、町田は府中との東京ダービーを迎える。しかし、金山も「危険察知能力はチームで一番だし、自分も見習っている」と評すキャプテンのFP大地悟が警告の累積で出場停止となる。それでも、金山は無敗記録を伸ばせる自信があると言う。

「(大地が)いないことは本当に大きいです。でも、いない中でも(三輪)修也が代わりを務めて、勝ってきた試合があるし、チームとして今は選手層にも自信があります。府中はすごく良い状態で、名古屋に次ぐ2位(今節の敗戦で3位)にいるので、自分たちもチャレンジしていきたい」

 プレーオフ進出の可能性は潰えたが、自信を取り戻した町田は、リーグ戦を最後まで盛り上げる存在となりそうだ。府中とのダービーは、15日、府中市立総合体育館で行われる。

(取材・文 河合拓)

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