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[Fリーグ]初ハットの浦安FP星「僕が得点王になれば、チームは優勝している」

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[7.15 Fリーグ第6節 湘南3-7浦安 小田原A]

 試合の大勢は、開始直後に決まったといっていいだろう。バルドラール浦安は、前節からスタメンをFP星翔太のいるセットに変更し、開始1分44秒で2ゴールを挙げた。駆け引きは、試合前から始まっていたと星は言う。

「うちは監督が先発をワザとこれまでと変えたんです。僕らのセットが先発で出れば、多分、ボラを僕に当ててくるだろうと予想していたので。そういう話をして、相手のファーストセットの形を崩そうとしました。僕としても、いつもセカンドセットで試合に入っている人が、ポンと先発で試合になることによって、うまく準備ができないと思っていたんです。それこそ攻撃も、相手がこうやってくるということを読んでDFもできたし、そこで相手を勢いに乗せたくないというのもあった。ホーム開幕戦ということなどもあり、相手には気負いもあると思ったので、そこをうまく突きたかった」

 浦安の予定通りに事は運んだ。湘南ベルマーレ(Fリーグ)はキックオフ後、すぐに選手交代を行い、セットを代えた。しかし開始21秒、FPボラが前線に入れたキックインをカットされると、星に左足でゴールを決められる。さらに1分44秒にもパスカットからFP鳥丸太作に突破され、折り返しを星に合わされてGKの股間を通された。湘南の相根澄監督は「そっちのセットが先発したことがないことで、戸惑ったなかで星選手に2本決められた」と、立ち上がりを悔やんだ。

 この2ゴールに加えて、後半8分にもゴールを決めた星は、Fリーグで初めてハットトリックを達成した。チームも2位に浮上し、良い感触をつかめているのかと思いきや、星は「まったく手応えないです」と一蹴した。

「まだ2位なのでね。1位になって、そこから見える景色を見て、初めて手応えがあると言えると思います。普通に苦しみながら勝った結果なので。自分たちがやるべきことをやれば、良い試合もできる。今日は苦しみながらやって、点差が開いた。先週は負けた。その繰り返しなので。手応えはシーズンを積み重ねたうえで感じるものだと思う」

 自身初のハットトリックについても「さほど重要ではない」と話す。だが、自分が点を取れているということは、チームがうまくいっている証であると強調した。「僕が得点王になっていれば、チームは優勝しているっていうことじゃないですか」と、星は言う。「僕だけで、点が取れているわけではないから。強い相手からもしっかり点を取るには、周りのフォローがないと取れない。今日のように最後の場面でシュートを打てていることが重要」。

 勢いのある湘南に完勝し2位に浮上しても、「僕たちは先を見たらダメ。2位になったと言われても『そうなんだ』という感想しかない。先を考えていないし、先を考えたら多分、僕らは優勝できない。目の前の試合だけを見て、コツコツとその週の練習をやっていきたい」と、星は言う。この日の3ゴールで得点ランクの3位に浮上した星は、経過に一喜一憂せずに、結果にこだわる。

(取材・文 河合拓)

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