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[Fリーグ]ビブス手渡し失敗で退場となった湘南FP小野「反省しています」

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[7.15 Fリーグ第6節 湘南3-7浦安 小田原A]

 結局、試合が終わってから公式記録を見るまで、何が起きたのかは分からなかった。湘南ベルマーレ(Fリーグ)バルドラール浦安の上位決戦、2-6で迎えた後半32分の出来事だ。パワープレーに出た湘南は、31分にFP小野大輔がシュートを決めて、いよいよ反撃に出ようとしていた。湘南の速攻に対して、浦安のFP星翔太がファウルで食い止める。星にそのままイエローカードが提示される。

 ここまでは分かった。だが、その後、敵陣でのセットプレーに備えて選手交代を行おうとした湘南のベンチで異変が起きる。第3審判が第2審判を呼び、誰かに対してイエローカードが提示され、続けてレッドカードが出された。しばしの喧騒の後に、試合は再開されたが、フィールド上に湘南の選手は5人いた。退場はなかったのかな、と思いきや、ピッチ上にもベンチにも小野の姿が見当たらない。

 結局、前半だけで最多5本のシュートを放ち、後半も1ゴールを決めていた攻撃の核が退場となったことで、湘南の追い上げムードは完全に削がれた。試合後の公式記録には小野が『無許可入』のために警告を受けたと記されていた。ピッチ外にいた時点での行為で退場となったため、ピッチ内の人数は減らなかったことが、ようやく理解できた。

 試合後、小野自身も反省していた。

「ビブスをちゃんと手渡ししなかったことで、2枚目のイエローをもらってしまいました。そういうルールですから、仕方ないですね。チームの反撃ムードに水を差してしまって、本当に申し訳なかったです」

 この不要だった警告も含めて、この日の湘南と浦安の試合には『経験の差』が大きく出たといえる。開始直後、相手に応じてFP全員を入れ替えて、2失点した試合運びもそうだ。

「単純に今日は試合の入り方が悪かった。見に来てくれているお客さんにとっては、最初にどんなセットが出ているかなんて関係ない。これだけ人が来てくれているのに、あの失点から入ったこと、パワープレーでこれからって時にオレが退場しちゃったこと。これが今日の試合のすべてだと思う」

「良い時は何をやっても、うまくいくじゃないですか? 今日みたいなときに、僕とかベテランが食い止めたりしないといけない。一つのプレーでもそうだし、連動という意味でもそう。そのためのベテランなのに…。今日はそれができなかったことで、反省しています」

 この日の退場で小野は次の第7節は出場停止となる。混戦の上位争いに残るためにも、連敗はできない。攻撃の軸となる小野を欠く20日の大分戦、21日の王者・名古屋戦と続くセントラル2連戦は、7年目の快進撃を見せてきた湘南の今後に大きな意味を持つ2試合になりそうだ。

(取材・文 河合拓)

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