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[選手権予選]選手権V4回の名門・市立浦和、武蔵越生を振り切り初勝利:埼玉2次L

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[10.8 第91回全国高校選手権埼玉県予選2次L第2節 市立浦和3-1武蔵越生 惣右衛門G]

 第91回全国高校サッカー選手権埼玉県予選は8日、2次リーグ第2節を行い、浦和市立時代に4度の全国制覇を成し遂げている市立浦和は3-1で武蔵越生に勝利。2次リーグの成績を1勝1分とし、決勝トーナメント進出へ前進した。

 前半、オレンジ軍団・市立浦和が躍動した。0-0で引き分けた越谷西戦での4-4-2から4-3-3システムへ変更した市立浦和は前半、右サイドで抜群の推進力を見せる右FW鍛冶光一(2年)とトップ下に配置された技巧派MF戸嶋祥郎(2年)、MF鹿沼紀斗(3年)を起点に攻めると7分、右サイドをオーバーラップしたSB柳澤恭也(2年)が外側から斜めにPAへ走りこんだ鍛冶へパス。背番号26がゴールライン際までえぐって折り返すと、ファーサイドの陣野が右足で合わせて先制点を決めた。

 市立浦和はさらに16分、戸嶋の右CKを鹿沼が頭で決めて2-0と突き放す。その後も中盤でのテンポのいいパスワークから右サイドの鍛冶と柳澤、俊足SB山崎航太(3年)とキープ力のある陣野の左サイドが分厚いサイド攻撃を繰り広げる市立浦和は、33分にも鍛冶からのパスをPAで受けた鹿沼が切り返しからシュートを狙うなど、ほぼ主導権を渡さずに前半を終えた。

 だが攻勢だった前半に3点目を奪えなかったことが後半に響く。武蔵越生は4分、右サイドからスピードに乗ってオーバーラップしたSB藤原和志(3年)がMF安原日向(3年)からのパスを受けてPAへ侵入。市立浦和はファウルで止めてしまい、PKを献上してしまう。武蔵越生はこれを安原が右足で決めると形勢逆転。市立浦和は池田一義監督が「後半はボールを動かせないし、運動量も減ってしまったと思う。ボールを失うことが多すぎる。戦う気持ちはあっても技術がないです」と渋い表情を見せていたが、キープできずに慌てて動かしたボールをカットされ、右サイドを突破した鍛冶が迎えた決定機を逃すなど、相手を突き放すことができない。 

 逆に武蔵越生は大きな展開を交えた攻撃で押し込むと、右サイドの藤原と安原がチャンスメーク。10番FW東仁志やMF皆川祐輝、交代出場のFW善並諒(全て3年)がシュートにまで持ち込んだ。苦しい時間帯の続いた市立浦和。それでも後半35分、交代出場の10番FW峰田正輝(2年)がダメ押しゴールを決めて粘る武蔵越生を振り切った。

 市立浦和はこの日、DF松本渉(2年)とDF小林俊哉(1年)がCBでコンビを組むなど下級生5人が先発。その中、セットプレーでは「3年が点取るぞ!」と3年生たちが鼓舞するなど、チームは一丸となって戦っていた。主将の鹿沼は「これから先は簡単な試合はひとつもない。全国へ行った(4年前の)チームの試合を見ましたけれど、もっと団結しなければいけない。全国へ行くためにはまだ強くならないと。絶対にゴールを決めるという執着心や絶対に止めるという意識をどんどん詰めていきたい」と誓った。今季は県8強が最高成績に終わっている市立浦和だが、名門は選手権で意地を見せて4年ぶり14回目の全国大会出場を果たす。

[写真]前半7分、先制ゴールを決めた市立浦和MF陣野(右)がチームメートと喜ぶ

(取材・文 吉田太郎)
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