[12.31 全国高校選手権1回戦 西目1-3米子北 ニッパ球]

　第91回全国高校サッカー選手権は31日、各地で1回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場では西目(秋田)と米子北(鳥取)が対戦した。前半12分にFW小川暖(2年)のゴールで先制した米子北は同26分にDF宇野大貴(3年)が追加点。同34分に1点を返されたが、後半4分にFW加藤潤也(3年)がダメ押しの3点目を決め、3-1で快勝した。

「全員守備とショートカウンターというのを1年を通して言い続けている」という米子北の城市徳之監督にとって、狙いどおりの展開となった。前半12分、ショートカウンターから加藤のラストパスを受けた小川がドリブルで切れ込み、先制点。「高い位置でボールを奪って点を取って、リズムが出た。CBとSBのビルドアップは狙っていたし、自分たちの展開になった」と振り返る。

　立ち上がりのゴールで主導権を握った米子北はすかさずセットプレーから追加点を奪う。前半26分、MF竹中恭丞主将(3年)の左FKを小川が頭で落とし、宇野が右足で押し込んだ。2-0とリードを広げるが、ここでたたみかけることができない。前半35分、西目は左FKからFW今井尚也(3年)がゴール前に上げたボールがそのままゴール左隅に吸い込まれる追撃弾。1-2と1点差に追い上げ、後半に折り返した。

　それでも米子北は後半立ち上がりの4分にまたしてもセットプレーのチャンスを生かす。竹中の左FKからニアのスペースに走り込んだ加藤が右足アウトサイドで合わせる技ありのシュート。3-1と突き放し、再び試合の流れを引き寄せた。

　結局、終わってみれば被シュートは前半1本、後半1本の計2本のみ。4点目こそ奪えなかったが、危なげない勝利で2大会連続の初戦突破を決めた。1月2日の2回戦では旭川実(北海道)と対戦する。米子北にとっては初の3回戦進出が懸かる一戦だ。

　7度目の全国高校選手権出場で悲願の1勝を挙げた前回大会は、2回戦で桐光学園(神奈川)に1-5の大敗を喫した。竹中は「去年は初めて1回戦に勝って、満足感みたいなものがあった。2回戦は桐光学園が相手で、アウェーの雰囲気にのまれて押し込まれた」と振り返る。

　同じ轍は踏まない。米子北が全国高校総体で準優勝に輝いた09年時に中学3年だったのが現3年生。竹中は「僕らはインターハイ準優勝を見て(米子北に)入ってきた代。その記録に近づきたいし、まだ全然満足していない」と力強く語っていた。

(取材・文　西山紘平)

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【特設】高校選手権2012