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[MOM723]丸岡FW辻川雄太(2年)_ひたむきさ体現した決勝弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権1回戦 丸岡2-1広島観音 駒場]

試合後、選手たちが引き上げてくる。ミックスゾーンで記者団が待ち受けるのは、ロスタイムに会心のダイビングヘッドを決めたFW辻川雄太(2年)だった。
しかし一度止まったものの、すぐにロッカールームへと引き上げる。なんでも風邪の症状が重いらしい。結局本人は足早にチームバスへと乗り込んだ。
この試合、辻川は後半開始からの途中出場だった。FWとして前線からボールを追い、執念を感じさせるような動きでゴールを狙う。勢いあまってラフプレーでイエローカードももらってしまった。
プレーを見るに、とてもコンディションが悪いとは思えない動きだった。でも、これぞ「我慢強く粘ってひたむきにいく」(小阪康弘・丸岡監督)チームの象徴なのかもしれない。
身長は185センチ。長身選手が並ぶ丸岡の中でチーム2番目の高さであり、FW登録選手の中では1番だ。しかし県予選でゴールはなし。今大会初ゴールがチームを勝利に導く決勝点となった。

「広島観音の県予選の決勝を見て、後半バイタル(エリア)があくな、とは思っていました。そこを突いていった結果が最後のゴールにつながったと思う」と小阪監督は分析する。
後半33分に同点ゴールを決めたMF飯田啓祐(3年)も「相手のCBと中盤の間が空くという話はあった。前半はそのスペースに味方からボールが出てこなかったが、後半になると出るようになった」と言うように、広島観音サイドにも綻びが生じていたのは事実だ。
だがその隙を突きゴールを決めきることに価値がある。値千金の結果を導いたのは丸岡高校の伝統、そしてチームの最後まで諦めない姿勢、なにより本人の身を投げ出す執念だった。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文/伊藤亮)


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