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[MOM894]藤枝東FW片井巧(3年)_優勝決定弾で静岡MVP&得点王に!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.16 全国高校選手権静岡県予選決勝 清水桜が丘 藤枝東 エコパ]

 サッカー王国・静岡のMVP男が決めた優勝決定弾だ。藤枝東FW片井巧(3年)は0-0の後半27分、右サイドのFW櫻井敬基(3年)がダイレクトで出したパスをターンしながらスペースへ運んで抜けだすと、GKとの1対1を「ターンした時にGKが見えて下を消してくると思いました。来る前からイメージがあって上を狙って、イメージ通りにできたので嬉しかったですね。この舞台ということもあるんで、これまでのベストゴールです」と笑顔で振り返る右足ループシュートで制して決勝ゴール。名門を全国へ導いた。

 トップ下の位置で見せる1タッチのボールコントロールとスピードに乗ったドリブル、相手の背後への抜け出しが武器。だが、この日は長い芝に悩まされて思うようなプレーをすることができていなかった。それでも決勝点のシーンではグラウンド状況を上手く把握して活用。「ターンするときにちょっと触っていて、このグラウンド状況ならそんなに遠くにいかないと思っていた」とボールを意図的にDFとGKとの間に落とし、抜群のスピードでDFの前に出て鮮やかなゴールを決めた。

 その片井については吉野友三監督も目を細める。「片井はきょうの試合通じて調子良かったわけではなくて、ボールコントロールが乱れていたり、空回りしていた場面があったんですけど、勝負を決めるゴールを決めたところで仕事を最後にしてくれたと思う。1試合で1点取ればFWの勝ち。相手の顔とか狙いを感じながら、最後刺しに行けというか、一発やってこいと送り出した。DFの食いつきを狙って、背後をとって、大きな仕事をしてくれたかなと思います」と讃えていた。

 片井にとって決勝で決めた決勝ゴールは夏の無念を断ち切るゴールでもある。今夏の全国高校総体予選では準決勝で決勝ゴールを決めるなど活躍を見せながらも決勝を控えた週の体育の授業で左足骨折。決勝を欠場した。静岡学園と対戦したチームメートたちは後半アディショナルタイムまでリードを奪っていたものの、追いつかれ、延長戦の末に逆転負け。準優勝の責任を感じていた。ただ「選手権では自分がピッチに出て自分が決めてやると思っていた。チームを全国へ連れて行くぞという思いでやってきたので、決められて良かった。準々決勝、準決勝で点取れなかったので、決勝で取りたいと思っていました」と自分自身のゴールで勝ち取った全国切符に胸を張った。

 今大会4得点の活躍によってチームメートのFW田口史也(3年)とともに得点王となり、ベストイレブン、そして大会MVPにも選ばれた。「信じられないです。自分がMVPを取るなんて考えてもいなかった。(全国大会ではマークが厳しくなることが予想されるが)努力して負けないようなプレーして得点したいですね」と片井。大きな「肩書き」を背負って臨む全国舞台でもチームを勝利へ導く活躍をする。

[写真]後半27分、藤枝東FW片井が決勝点となるループシュートを決める

(取材・文 吉田太郎)
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