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[選手権予選]脅威となった打開力、藤枝東の快足FW櫻井が決勝アシスト

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[11.16 全国高校選手権静岡県予選決勝 清水桜が丘0-1藤枝東 エコパ]

 ヒーローの座は決勝ゴールを決めたFW片井巧(3年)に譲ったものの、静岡決勝で最もインパクトを残していたのは藤枝東の右FW櫻井敬基(3年)だった。前半7分、FW小谷春日(2年)の左クロスをファーサイドからヘディングシュート。打点の高い一撃によってゴールを破り、先制点かと思われたが、これは小谷にボールが入る前にタッチラインを割っていたという判定で“幻のゴール”になった。それでも「ゴールにはならなかったですけど、あれで『きょう行けるな』というのがあった。(芝が長く)ボールが止まってドリブルしづらかったんですけど、細かいドリブルというよりもざっくり行くというのを心掛けてそれが良かったと思います」と大きく持ち出すドリブルでDFを何度も振り切り、決定機を演出していた。

 DFを1人かわし、2人かわし、さらに中へ入り込もうとする貪欲なプレーの連続。前半37分にはひとりで右サイドを攻略し、後半18分には左ショートコーナーからDF2人を振りきって枠を捉える右足シュートを放った。そして後半27分には相手のクリアボールをダイレクトでのラストパスに変えて決勝アシスト。大会のアシスト王(4アシスト)とベストイレブンを獲得した。中学時代からのチームメートである片井の決勝ゴールをアシストした櫻井は「ボクがアシストして巧が決めるというのが中学からの形。高校でも再現できて県を制覇できたのはサッカーをやっていて楽しいなと思ったし、自信にもなりましたね」と微笑んだ。

 相手が2人いても果敢に勝負を挑み、こじ開けてしまう櫻井と小谷の両翼は全国でも対戦相手の脅威になりそう。櫻井は「相手がサイドで枚数かけてくるのは慣れている。それをどう剥がすかというのがボク自身のテーマでもあって、そこを決勝でも抜けたというのは、桜が丘のDFを抜けたというのは自信になったし、ヘディングでも競り負けていなかったので自信になりました」。この1年で自分の武器としたヘディング、高さも武器の快足アタッカーが全国でも存在感を放つ。

(取材・文 吉田太郎)
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