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[選手権]星稜・河崎監督が悲願の国立1勝、北陸ダービーの決勝へ「地味なカードで申し訳ない」

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[1.11 全国高校選手権準決勝 星稜4-0京都橘 国立]

 3度目の挑戦で、ついに“壁”を破った。MF本田圭佑(ミラン)を擁した04年度大会、そして前回大会と2度に渡って敗れた準決勝。悲願の国立1勝、初の決勝進出を果たした星稜(石川)の河崎護監督は「長かったけど、やっと勝つことができた」と、お立ち台でのインタビューで感慨深そうな表情を見せ、「ようやく1勝したので、気持ちよく決勝を戦いたい」と語った。

 改修前最後の国立競技場での決勝。相手は富山一(富山)に決まった。「大変地味なカードになって申し訳ありません。『国立最終章』で北陸ダービーなんてあり得ないこと」と苦笑いしながらも、「こういう日が来ることを夢見ていた。私たちにとっては素晴らしいカード」と感無量の心境だった。

 4-0の大勝にも、90分間を通して安心する瞬間はなかった。1-0で折り返したハーフタイムには「2点目が入ってもセーフティーではないぞ」と選手を送り出した。実際、後半7分に追加点を取れても「これは2-2のPK戦かなと思った」と振り返る。そして後半19分に3得点目。「3点目が入ったとき、これは何とか勝たないといけないと思った」。残りは25分あまり。国立初勝利へのカウントダウンを河崎監督は「54歳だけど、ドキドキハラハラしていた」と祈るように待った。

「早く終わってくれないかなと思っていた。別に考えることがあったら考えたい、横に漫画があったら漫画を読んでいたい。そんな心境だった。出来すぎのゲームにただただビックリしています」。悲願だった国立での1勝を挙げ、次は初の日本一を懸けた決勝だ。「心配なのはお客さんが入るかどうか。そこは皆さん(報道陣)の腕次第です」。河崎監督は最後までジョークをまじえ、最後の国立決戦へ臨む。

(取材・文 西山紘平)

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