[選手権]エース定本の一撃で勝負あり、米子北が初の2回戦突破!!
[1.2 全国高校選手権2回戦 中京大中京高 1-2 米子北高 駒場]
第93回全国高校サッカー選手権の2回戦が2日に各地で行われ、浦和駒場スタジアムの第1試合で、中京大中京高(愛知)と米子北高(鳥取)が対戦した。前半13分に先制された米子北だったが、同18分と同40分にゴールを奪って前半を2-1として折り返す。後半は追加点こそ奪えなかったものの、相手にもゴールを許さずに逆転勝利を収めた。初の2回戦突破を決めた米子北は、3日に行われる3回戦で星稜高(石川)と対戦する。
序盤から細かいパス回しで米子北ゴールに迫る中京大中京だったが、前半6分にDF田崎大地(3年)のパスからFW小原羽矢駄(3年)が狙うもジャストミートできず、同8分にはMF辻星哉(2年)のスルーパスから小原が抜け出したがシュートまで持ち込めなかった。しかし、同13分、CKの流れからMF富田光(3年)が送ったグラウンダーのクロスを相手DFがクリアミスしたところを、DF木村祐輝(3年)が蹴り込んで先制に成功した。
だが、劣勢に立たされた米子北に焦りはなかった。「中京大中京さんは得点力が高いし、ポゼッションされると予想していたので、1点はやられると思っていました。0-2で折り返す可能性もあったので、計算通りと言いますか、選手にも焦りはありませんでした」と城市徳之監督が語ると、主将のMF君垣隆義(3年)も「先制されたのが早い時間帯だったので、まだまだこれからだと思っていました」と振り返っている。
その言葉どおり、落ち着いて自分たちのサッカーを披露する。最終ラインからFW定本佳樹(3年)目掛けてロングボールを蹴り込むと、これを背番号10を背負う定本が収めて基準点となる。たとえ、マイボールにできなくても定本の周囲を衛星的に動くFW山崎敏也(3年)がセカンドボールを回収して、チームメイトの攻め上がりを促した。すると前半18分にCKを得ると、MF松本浩輝(3年)のショートコーナーを受けた君垣が鮮やかなループシュートを沈めて、スコアを振り出しに戻した。
その後も中京大中京にボールを持たれる時間こそ長かったものの、粘り強い対応でPA内への侵入を許さず、逆にボールを奪えば鋭いカウンターでシュートまで持ち込む場面を作り出す。そして1-1のまま迎えた前半40分、後方からのボールに反応した定本が相手DFに囲まれながらも強烈な左足のシュートを突き刺して逆転に成功。「彼が点を取ることによってチームが勝てる雰囲気が出てくる。そういう意味では彼の得点は大きかった」とエースの初得点に指揮官も表情を緩めた。
2-1として前半を折り返した米子北だが、後半7分に定本とのワンツーから抜け出した松本がPA内に侵入して放ったシュートは相手にブロックされ、こぼれ球に反応した定本が狙ったヘディングシュートはDF土生陽のクリアに遭うなど追加点を奪えない。すると、徐々に中京大中京がゴールを脅かす場面を作り出し、同9分には田崎のクロスの流れからゴール前が混戦となりMF市川兼伍(3年)が強烈なシュートを放ったが、惜しくも枠を捉えることはできなかった。
中京大中京に押し込まれる時間帯が続いた米子北だが、「2-1の展開だったので、相手にボールを回させながら行ける時間帯は行こうとしていました。相手ボランチやSBのところを狙いどころに、高い位置でボールを奪ってショートカウンターも仕掛けられたと思います」と城市監督が振り返ったように、あくまでダメ押しゴールを狙い続けた。
しかし、後半27分にはMF小嶋海斗(2年)のパスから君垣が、同31分には松本のCKの流れからMF小長裕也(2年)がシュートを狙ったがネットを揺らせず。逆に181センチの田崎を前線に上げた中京大中京に猛攻を掛けられ、何度も際どいシュートを放たれたが、DF嶋田遼允(2年)、DF鶴ヶ久保哲太(2年)の2CBとGK中原創太を中心とした守備陣が体を張ってゴールを守り抜き、2-1のまま試合終了のホイッスルが吹かれた。
初の2回戦突破を決めた城市監督は「インターハイではベスト8に入ったり、準優勝したこともありましたが、選手権ではなかなか1回戦、2回戦の大きな壁を乗り越えられませんでした。ただ、コツコツとやっていれば努力が実を結ぶと今回分かりました」と語ると、「ウチは派手なチームでなく、コツコツと頑張るチーム。その持ち味を出して一つひとつ壁を越えていきたい」と次戦で新たな壁を越えたいと話した。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 折戸岳彦)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2014
第93回全国高校サッカー選手権の2回戦が2日に各地で行われ、浦和駒場スタジアムの第1試合で、中京大中京高(愛知)と米子北高(鳥取)が対戦した。前半13分に先制された米子北だったが、同18分と同40分にゴールを奪って前半を2-1として折り返す。後半は追加点こそ奪えなかったものの、相手にもゴールを許さずに逆転勝利を収めた。初の2回戦突破を決めた米子北は、3日に行われる3回戦で星稜高(石川)と対戦する。
序盤から細かいパス回しで米子北ゴールに迫る中京大中京だったが、前半6分にDF田崎大地(3年)のパスからFW小原羽矢駄(3年)が狙うもジャストミートできず、同8分にはMF辻星哉(2年)のスルーパスから小原が抜け出したがシュートまで持ち込めなかった。しかし、同13分、CKの流れからMF富田光(3年)が送ったグラウンダーのクロスを相手DFがクリアミスしたところを、DF木村祐輝(3年)が蹴り込んで先制に成功した。
だが、劣勢に立たされた米子北に焦りはなかった。「中京大中京さんは得点力が高いし、ポゼッションされると予想していたので、1点はやられると思っていました。0-2で折り返す可能性もあったので、計算通りと言いますか、選手にも焦りはありませんでした」と城市徳之監督が語ると、主将のMF君垣隆義(3年)も「先制されたのが早い時間帯だったので、まだまだこれからだと思っていました」と振り返っている。
その言葉どおり、落ち着いて自分たちのサッカーを披露する。最終ラインからFW定本佳樹(3年)目掛けてロングボールを蹴り込むと、これを背番号10を背負う定本が収めて基準点となる。たとえ、マイボールにできなくても定本の周囲を衛星的に動くFW山崎敏也(3年)がセカンドボールを回収して、チームメイトの攻め上がりを促した。すると前半18分にCKを得ると、MF松本浩輝(3年)のショートコーナーを受けた君垣が鮮やかなループシュートを沈めて、スコアを振り出しに戻した。
その後も中京大中京にボールを持たれる時間こそ長かったものの、粘り強い対応でPA内への侵入を許さず、逆にボールを奪えば鋭いカウンターでシュートまで持ち込む場面を作り出す。そして1-1のまま迎えた前半40分、後方からのボールに反応した定本が相手DFに囲まれながらも強烈な左足のシュートを突き刺して逆転に成功。「彼が点を取ることによってチームが勝てる雰囲気が出てくる。そういう意味では彼の得点は大きかった」とエースの初得点に指揮官も表情を緩めた。
2-1として前半を折り返した米子北だが、後半7分に定本とのワンツーから抜け出した松本がPA内に侵入して放ったシュートは相手にブロックされ、こぼれ球に反応した定本が狙ったヘディングシュートはDF土生陽のクリアに遭うなど追加点を奪えない。すると、徐々に中京大中京がゴールを脅かす場面を作り出し、同9分には田崎のクロスの流れからゴール前が混戦となりMF市川兼伍(3年)が強烈なシュートを放ったが、惜しくも枠を捉えることはできなかった。
中京大中京に押し込まれる時間帯が続いた米子北だが、「2-1の展開だったので、相手にボールを回させながら行ける時間帯は行こうとしていました。相手ボランチやSBのところを狙いどころに、高い位置でボールを奪ってショートカウンターも仕掛けられたと思います」と城市監督が振り返ったように、あくまでダメ押しゴールを狙い続けた。
しかし、後半27分にはMF小嶋海斗(2年)のパスから君垣が、同31分には松本のCKの流れからMF小長裕也(2年)がシュートを狙ったがネットを揺らせず。逆に181センチの田崎を前線に上げた中京大中京に猛攻を掛けられ、何度も際どいシュートを放たれたが、DF嶋田遼允(2年)、DF鶴ヶ久保哲太(2年)の2CBとGK中原創太を中心とした守備陣が体を張ってゴールを守り抜き、2-1のまま試合終了のホイッスルが吹かれた。
初の2回戦突破を決めた城市監督は「インターハイではベスト8に入ったり、準優勝したこともありましたが、選手権ではなかなか1回戦、2回戦の大きな壁を乗り越えられませんでした。ただ、コツコツとやっていれば努力が実を結ぶと今回分かりました」と語ると、「ウチは派手なチームでなく、コツコツと頑張るチーム。その持ち味を出して一つひとつ壁を越えていきたい」と次戦で新たな壁を越えたいと話した。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 折戸岳彦)
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