[選手権]攻撃陣爆発!!公式戦22連勝の履正社が前大会に続いて8強入り
[1.3 全国高校選手権3回戦 履正社高5-1中津東高 駒場]
3日、第93回全国高校サッカー選手権3回戦が行われ、浦和駒場スタジアムの第2試合では、履正社高(大阪)と中津東高(大分)が対戦した。中津東の得点で幕を開けた一戦は、前半のうちに履正社が追いつくと、後半に大量4ゴール。終わってみれば5-1の圧勝で、2大会連続でのベスト8進出を決めた。
「できないことを求めているわけじゃない、いままでやってきたことを魂込めてプレーしよう、ということを厳しめに話しました」。0-0(PK5-3)での辛勝に終わった2回戦後、平野直樹監督にそう檄を飛ばされた履正社イレブンは、立ち上がり3分にMF小川達也(2年)がシュートまで持ち込む。しかし、その後は中津東のスタイルであるマンツーマンディフェンスに苦しめられる。「最初は戸惑い気味のところはあった」(平野監督)。ポジションを変え、長い距離を走っても付いてくるDFをはがすことができない。
自分たちのペースで進める中津東は前半19分、FW山本隼斗(3年)がタッチライン際までドリブルをすると、マイナスのボールを入れる。FW松浪竜希(2年)がスルーすると、その後ろに構えていたMF松永一輝(2年)が右足で流し込んだ。「プランどおりのいい形」(松田雄一監督)。中津東の思惑通りにゲームが動いていく。
パスワークが出せなくても、履正社はその攻撃力を発揮し始める。DF小川明(3年)のロングスローを中津東が跳ね返したボールを、MF田中駿汰(2年)がダイレクトで一閃。アウト回転がかかったシュートは、ネットを揺らした。同点とした履正社は、直後にFW瀧本高志(3年)を投入。「9番(瀧本)の個の力でやられた」と敵将も舌を巻く采配で履正社は流れをたぐり寄せると、「慣れてきた」(平野監督)こともあって、個人技で中津東のマンツーマンをはがしていくが、追加点はないまま前半を終えた。
松田監督が「同じようなシステムでしっかり」と指示を出して後半に臨んだ中津東だが、開始3分でまたもセットプレーでピンチを招く。MF牧野寛太(2年)がショートコーナーでMF多田将希(3年)に出すと、多田のクロスをFW林大地(2年)が頭でねじ込み、逆転に成功する。
余裕が生まれた履正社は、伸び伸びとプレーをし始め、12分には小川達が斜めに入れた鋭いクロスを林が再びヘディングで合わせて3点目。なおも履正社の得点は止まらない。21分には左SBの小川明が、田中からのリータンを受けると左足で鮮やかなループシュート。直前に5cm身長が低いGKに交代していた松田監督は「手前に入れていたボールをループにしてコースを狙ってきた。GKによってシュートを使い分ける巧さを感じた」と脱帽した。
後半アディショナルタイムには途中出場のMF角野光志朗(3年)からも再びループシュートが飛び出すと5-1。2回戦での無得点を晴らすかのようなゴールラッシュで3回戦を制し、5月の総体予選敗退後からの公式戦連勝を「22」に伸ばした。
前大会で初出場ながら8強入りをはたした履正社は、2回の出場でいずれも準々決勝進出となった。奇しくも昨年の準々決勝と同じ浦和駒場スタジアムが舞台となる。「去年、ここ(駒場)で母校である四中工(四日市中央工業)とやって、非常に悔しい想いをしました。(対戦相手の)星稜はコーチをやっていたこともあるので、どの試合も大切なんですけど、より大切にしたい」。昨季準優勝の星稜高(石川)との「埼スタ行き」を懸けた戦いに、指揮官は気合いをみなぎらせた。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 奥山典幸)
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【特設】高校選手権2014
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「できないことを求めているわけじゃない、いままでやってきたことを魂込めてプレーしよう、ということを厳しめに話しました」。0-0(PK5-3)での辛勝に終わった2回戦後、平野直樹監督にそう檄を飛ばされた履正社イレブンは、立ち上がり3分にMF小川達也(2年)がシュートまで持ち込む。しかし、その後は中津東のスタイルであるマンツーマンディフェンスに苦しめられる。「最初は戸惑い気味のところはあった」(平野監督)。ポジションを変え、長い距離を走っても付いてくるDFをはがすことができない。
自分たちのペースで進める中津東は前半19分、FW山本隼斗(3年)がタッチライン際までドリブルをすると、マイナスのボールを入れる。FW松浪竜希(2年)がスルーすると、その後ろに構えていたMF松永一輝(2年)が右足で流し込んだ。「プランどおりのいい形」(松田雄一監督)。中津東の思惑通りにゲームが動いていく。
パスワークが出せなくても、履正社はその攻撃力を発揮し始める。DF小川明(3年)のロングスローを中津東が跳ね返したボールを、MF田中駿汰(2年)がダイレクトで一閃。アウト回転がかかったシュートは、ネットを揺らした。同点とした履正社は、直後にFW瀧本高志(3年)を投入。「9番(瀧本)の個の力でやられた」と敵将も舌を巻く采配で履正社は流れをたぐり寄せると、「慣れてきた」(平野監督)こともあって、個人技で中津東のマンツーマンをはがしていくが、追加点はないまま前半を終えた。
松田監督が「同じようなシステムでしっかり」と指示を出して後半に臨んだ中津東だが、開始3分でまたもセットプレーでピンチを招く。MF牧野寛太(2年)がショートコーナーでMF多田将希(3年)に出すと、多田のクロスをFW林大地(2年)が頭でねじ込み、逆転に成功する。
余裕が生まれた履正社は、伸び伸びとプレーをし始め、12分には小川達が斜めに入れた鋭いクロスを林が再びヘディングで合わせて3点目。なおも履正社の得点は止まらない。21分には左SBの小川明が、田中からのリータンを受けると左足で鮮やかなループシュート。直前に5cm身長が低いGKに交代していた松田監督は「手前に入れていたボールをループにしてコースを狙ってきた。GKによってシュートを使い分ける巧さを感じた」と脱帽した。
後半アディショナルタイムには途中出場のMF角野光志朗(3年)からも再びループシュートが飛び出すと5-1。2回戦での無得点を晴らすかのようなゴールラッシュで3回戦を制し、5月の総体予選敗退後からの公式戦連勝を「22」に伸ばした。
前大会で初出場ながら8強入りをはたした履正社は、2回の出場でいずれも準々決勝進出となった。奇しくも昨年の準々決勝と同じ浦和駒場スタジアムが舞台となる。「去年、ここ(駒場)で母校である四中工(四日市中央工業)とやって、非常に悔しい想いをしました。(対戦相手の)星稜はコーチをやっていたこともあるので、どの試合も大切なんですけど、より大切にしたい」。昨季準優勝の星稜高(石川)との「埼スタ行き」を懸けた戦いに、指揮官は気合いをみなぎらせた。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 奥山典幸)
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