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[選手権予選]市立船橋が3-0で流経大柏に完勝、全国Vへ視界良好:千葉

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[11.15 全国高校選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 0-3 市立船橋高 柏の葉]

 2強のライバル対決は、市立船橋の完勝に終わった。第94回全国高校サッカー選手権大会の千葉県予選は15日に柏の葉総合競技場で決勝戦を行い、全国高校総体準優勝の市立船橋高が3-0で流通経済大柏高を下して2年ぶり20回目の全国大会出場を決めた。

 市立船橋は、状態が万全ではないFW永藤歩、MF椎橋慧也のプロ内定選手2名を控えに回す起用法だったが、立ち上がりから試合のペースを掌握。前半19分にMF工藤友暉が右からのクロスを決めて先制すると、後半に2つの追加点を奪って勝ち切った。朝岡隆蔵監督は「選手が意外と冷静に判断してくれた。いつもは(この対戦では)8割方落ち着かず、やりたい攻撃をやれる部分は1、2割になるというケースが多い。それを3、4割にしたいと言っただけ。ボールを持てるところをしっかりと持って試合をコントロールできていた。相手のプレッシャーを見ながらやってくれた」と試合内容に手ごたえを示した。

 試合は前半から市立船橋のペースで進んだ。前半3分にセットプレー、同8分にMF押尾大貴のミドルシュートで早々にゴールを脅かした。流経大柏はFW織田敦暉のロングスローで押し返すばかりだったが、10分に左、右と相手を振り回して、クロスに主将の菅原俊平がダイビングヘッドで飛び込んで反撃。しかし、流経大柏が前半に放ったシュートは、この1本のみ。FWジャーメインアレクサンダー正にボールが収まる回数も少なく、攻撃が機能しなかった。

 対する市立船橋は12分にMF工藤友暉が左サイドをドリブルで駆け上がると、MF高宇洋らとの連係で相手守備陣を崩し、FW矢村健がシュート。そして19分、今度は右サイドから攻めると、ライン際でボールがバウンド。誰もがアウトと判断した場面だったが「アウトだと思ったけど、旗が上がらなかった。マイナス方向へのパスも考えたけど、序盤のチャンスだし、友暉がフリーなのが見えたので狙った」という矢村がクロス。逆サイドからゴール前へ走り込んでいた工藤が難なくゴールへ押し込んで先制に成功した。

 流経大柏はハーフタイムに2人を一気に変える交代策で状況の打開を図った。右に松本雅也、左に栗島健太を配して両サイドハーフを交代。後半6分にDF浜野駿吾が直接FKでシュートを狙い、少しずつ互角の展開へと持ち込んだ。後半、チャンスらしいチャンスはないものの、流経大柏が押し込んだ状態で時間が進む場面は増えた。どちら付かずの展開の中、後半16分、市立船橋がDF杉岡大暉のロングパスからFW矢村が抜け出しを狙えば、その3分後には、流経大柏がDF本村武揚のロングパスから松本がシュートへ持ち込むなど、両チームとも常に一発は狙っているという緊迫感のある展開となった。

 流経大柏は後半28分に選手交代で中盤の構成を変えたが、好転せず。逆に市立船橋は後半34分、左サイドで得たFKを工藤が蹴ると、相手GKがパンチング。しかし、大きく弾き出すことはできず、こぼれ球をMF金子大毅が左ボレーでたたき込んで勝敗を決定付ける2点目を奪った。さらに1分後、動揺を隠せない流経大柏に対して、市立船橋のFW永藤がプレスをかけてボールを奪取。そのまま前に出て来たGKをかわすシュートを決めてダメ押しの3点目を奪った。

 復調が期待される快足FW永藤は「昨年は、この千葉の決勝で逆転負けをして悔しい思いをした。最後の大会にかける思いは強い。今年も夏は準優勝に終わって悔しかった。やっぱり、市立船橋は日本一を取らないといけないと思うので、全国大会で日本一を取れるように良い準備をしたい」と全国制覇に向けた意気込みを話した。市立船橋は、仙台内定の椎橋、山形内定の永藤を欠く中でも、2年生MF金子が台頭するなど盤石。安定感のある強さを示している。全国大会でも優勝候補の一角として要注目だ。

(取材・文 平野貴也)

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