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決勝6発!実力を遺憾なく発揮した日章学園が14回目の全国で日本一に挑戦:宮崎

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日本一を目標に掲げる日章学園高が2連覇、宮崎県内最多の14度目となる全国へ

[11.4 選手権宮崎県予選決勝 日章学園高 6-1 宮崎日大高 KIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園サッカー場]

 今年の宮崎県予選決勝は文化の日翌日の日曜日、絶好の秋晴れの下で行われた。顔を合わせるのは今年の県高校総体決勝と同じ組み合わせ。鵬翔高に並ぶ過去13度の優勝を誇る日章学園高と、一年生大会などでは優勝するものの、選手権やインターハイでは県勢2強の牙城を崩すに至っていない宮崎日大高。ともにパスサッカーを掲げる両チームの対戦は、攻守が激しく入れ替わる小気味よい立ち上がりとなった。

 均衡が破れたのは前半16分。MF河原淳(3年)が後方から放った浮き球のクロスに反応したFW小野大斗(1年)が相手DF3人を振り切って追いつき、PAのすぐ外から右足シュートをゴール右上に突き刺す。決勝という大舞台で先発を任された1年生がさっそく結果を出してみせた。その後は、日章がボールを支配。前半終了間際の39分には、背番号10を担う河原が豪快にミドルを決め、日章学園が2ー0で前半を折り返す。

 後半開始とともに、宮崎日大はエースでキャプテンのFW三島光貴(3年)をピッチに送り出し反撃ののろしを上げる。システムも3-4-3から4-4-2に変更し、積極的な仕掛けがはまっていく。後半9分、MF川元翔太(3年)からパスを受けたFW松田竜弥(3年)がゴールを決め、一矢報いる。キャプテン三島はこのとき、バックスタンドの応援団と歓喜を分かち合うチームメイトにピッチに戻るよう指示し、あきらめない姿勢を見せていた。

 だがその4分後、日章学園はゴール前の混戦から小野の放ったシュートのこぼれ球をMF長友駿弥(3年)が押し込み追加点。その後は、プリンスリーグ九州得点ランキング首位のFW鈴木陽介(2年)が今大会8、9点目となる連続ゴール、MF長友と交替で入ったFW南太陽(3年)がファーストプレーでゴールを重ねるなど日章が突き放す展開になった。

 好天と深い芝の影響で足のつる選手が出てくる中、宮崎日大はそれでも最後まで戦う姿勢を見せる。しかし、終了間際に日章GK小原司(3年)のファウルで得たPKを日大FW三島が外し万事休す。終わってみれば、6-1と日章学園の圧勝という結果となった。これで日章は、県内での公式戦30連勝を果たした。

 日章学園キャプテンのMF比嘉将貴(3年)は試合後、「昨年負けた流通経済大柏と対戦して借りを返したい。主将として一人ひとりに声をかけ、チーム全員で日本一を取りに行く」と意気込む。今年のインターハイ準々決勝で、ゲームを支配しながらも優勝した山梨学院高に逆転負けを喫した悔しさを晴らしたい気持ちもある。早稲田一男監督は今年のチームについて、「粘り強くやれる実力を持っている」と高評価。そして、「出るからには頂点を目指したい。これまでやってきたことや経験値を厚くして、(対戦する)いろんなチームにゲーム内で対応できるように選手たちも考えてプレイしてほしいですね」と期待した。

(取材・文 高浜確也)
●【特設】高校選手権2018

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