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前回王者・前橋育英、宇和島東に苦しめられ「硬さがあって良くない」内容も完封勝利で“初戦”突破

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宇和島東高を下した前橋育英高(写真協力・高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権2回戦 前橋育英高2-0宇和島東高 駒場]

 第97回全国高校サッカー選手権2回戦が2日、各地で行われた。浦和駒場スタジアムの第2試合では、この試合が初戦となる前回大会王者の前橋育英高(群馬)が、8年ぶり5回目の出場となる宇和島東高(愛媛)と対戦し、2-0の勝利を収めた。“初戦”を突破した前橋育英は、3日の3回戦で東福岡を下した尚志高(福島)と対戦する。

 開始早々ビッグチャンスを作ったのは宇和島東。中央からDFライン背後に落としたボールを前橋育英のDFとGKの処理が曖昧になると、素早く反応したFW清家悠平(3年)がGK頭上を抜くシュートを狙うが惜しくもゴール左に逸れた。後方からのロングボールで前線のFW豊田湧(3年)、清家をターゲットにし、セカンドボールをMF竹内怜郎(3年)、MF宮本竜成(3年)らが回収することで序盤のペースを握る宇和島東。しかし、「宇和島東さんのプレッシャーが強くて、慌てていてリズムをつかめなかった」(山田耕介監督)という前橋育英が、徐々に対応し始める。

 前橋育英のポゼッションが増え始めると、前回王者が牙をむき始める。MF鏑木瑞生(3年)が最終ラインでのボール回しに参加し、左サイドでボールを保持すると、高い位置を取る右SBのDF近藤友喜(3年)へのサイドチェンジで何度もチャンスを作り出す。そして試合を動かしたのも、そのサイドチェンジから仕掛けた鏑木のドリブル突破で得たCKだった。前半18分、MF水多海斗(3年)が蹴り出した右CKにニアサイドのFW室井彗佑(3年)が素早く反応。トラップが乱れて浮き上がるも、前方に体を投げ出しながら右足を振り抜きゴールに蹴り込んだ。

 その後も、サイドチェンジからの仕掛けや、FW榎本樹(3年)、室井を起点にMF高橋尚紀(3年)、水多が仕掛けて攻勢を強めたが、DF野田憲伸(3年)を中心とした宇和島東守備陣が粘って追加点を許さず。前半34分にはPA外から豊田が強烈なシュートを枠内に飛ばしたものの、GK山口瞬(3年)にストップされて1-0のまま前半終了のホイッスルが吹かれた。

 後半に入ると、両チームともに選手交代を行ってゴールに迫ろうとするが、徐々に前橋育英が攻勢を強めていく。後半19分には左サイドを突破したMF森隼平(3年)のラストパスから室井が強烈なシュートを放つがクロスバーに阻まれ、同32分には鏑木のクロスを室井がヘディングで合わせるが枠上に外れた。なかなか追加点を奪えなかったものの、同28分に左サイドを突破した森のグラウンダーのクロスをゴール前でフリーになった榎本が押し込み、前橋育英がリードを2点差に広げた。

 その後は後半38分に前橋育英がPKを得たものの、室井のシュートがGK武下真大(2年)にストップされるなど、2-0のまま試合終了。前回王者は完封勝利を収めてのスタートとなったが、山田耕介監督は「良くなかった。硬さもあって、あまりいいところがない」と渋い表情。しかし、「ただ、次ができるので、次への修正はこれからできるところ。次は本来の力が発揮できるようにしたい」と修正を施して次戦へと向かう。

(取材・文 折戸岳彦)

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