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鹿児島が圧巻7得点で3年ぶりベスト4! 成長は右肩上がり…初の選手権出場まで残り2戦に

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鹿児島高が大量7得点で快勝

[11.5 選手権鹿児島県予選準々決勝 鹿屋中央高0-7鹿児島高 吹上人工芝サッカー場]

 第99回全国高校サッカー選手権の鹿児島県大会は、5日に県内で準々決勝を行い、鹿児島高が7-0で鹿屋中央高に快勝した。

 鹿児島は序盤から試合のペースを握り、テンポの良いパス回しで下級生主体の鹿屋中央を翻弄する。2列目に入ったMF久木田毅(3年)、MF和田陽成(3年)がコンビネーションと個人技を織り交ぜて局面を打開。右MF平口怜央(3年)、左MF古川清希(3年)、最前線のFW原田佳也(3年)も積極的に攻撃に絡んでいく。

 前半7分、11分に和田が立て続けにゴールを狙うと、直後の14分にはMF松本英(3年)が3列目から飛び出して左足でネットを揺らした。勢いに乗った鹿児島は以降も高い位置でパスを奪い、素早く前線にボールを付けてチャンスを創出。38分に相手の連携ミスを突いた久木田が2点目を奪うと、同39分には久木田の左クロスから原田がゴールを決めた。

 後半に入っても勢いは衰えない。後半7分には和田がミドルシュートを放つと、相手GK石走優人(1年)のキャッチミスを誘発して追加点。15分にも久木田がヘディングでネットを揺らし、リードを5点に広げた。

 一方の鹿屋中央はエースのFW西ノ原光世(3年)を中心に反撃を試みる。キャプテンのMF清水胡太郎(2年)、MF湯田僚馬(2年)が中盤の底でボールを受けるまでは良かったが、パスの精度を欠いて好機を作れない。攻撃の糸口を見出せず、時間だけが経過していった。

 最後まで集中力を切らさなかった鹿児島は試合終盤にも加点。後半33分に松本がゴールを奪い、アディショナルタイムにはMF諏訪颯士(3年)の折り返しから久木田が自身3点目となる得点でゴールラッシュを締め括った。

 26本のシュートで7得点を挙げた鹿児島は6日の準決勝で神村学園と対戦する。相手は3年連続で選手権に出場している難敵だが、臆するつもりはない。今年は夏に九州の強豪校に胸を借りた。帝京高時代に1学年上の大沢朋也(元大宮ほか)や同級生の関口訓充(仙台)らとインターハイ制覇を経験している樺山市基監督の伝手で、同校OBの平岡和徳総監督が率いる大津などと練習試合を実施。夏は大津に0-3の完敗を喫したものの、大会前に再戦した際は2-3の接戦に持ち込んで自信を深めてきた。

「まだ選手権予選で頂点に立ったことがない。今回は優勝して、全国に鹿児島高校の名前を知ってもらいたい」という指揮官の元で強化をスタートさせて今年で11年目。選手は地元の子がほとんどで、「今年はまとまりがある。学校の行事にも積極的に関わっているし、人間性にも長けている」(樺山監督)。右肩上がりで成長を続ける鹿児島が初の選手権出場を目指して3年ぶりの準決勝に挑む。

(取材・文 松尾祐希)
●【特設】高校選手権2020

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