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[MOM3295]武蔵越生GK関根拓郎(1年)_「静」の1年生GKがビッグセーブ連発!

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PK戦3人目、武蔵越生高の1年生GK関根拓郎が左へ跳んでストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 選手権埼玉県予選準決勝 武蔵越生高 1-1(PK4-2)西武台高]

「静」の1年生守護神が止めた。武蔵越生高は後半35分に追いつかれると、後半終了間際、延長戦とピンチの連続。だが、至近距離から枠を捉えたヘディングシュートなどを1年生GK関根拓郎が次々とストップして見せる。

 勝ち越し点を与えなかった関根はPK戦でも大仕事をしてのけた。互いに全員が決めて迎えた後攻・西武台高3人目、背番号17が左に跳んでストップする。「自己流で絶対に動かないと決めています」というGKはキッカーが蹴る瞬間まで動かない。ヤマを張らずに我慢し、ギリギリの跳躍でシュートを止めて見せた。

 PK戦勝利が決まると、武蔵越生イレブンは一斉に関根の下へ駆け寄り、1年生を祝福。大会開幕2週間前に「技術的には3年生の方がある。でも、(183cmという長身を生かして)大きいボールをある程度カバーするため」(西澤浩一監督)に登録外予定から抜擢された関根が、チームを決勝へ導く活躍をしてのけた。

 そのヒーローは自分の性格について「慎重な方だと思います」と分析する。試合中も考えすぎというほどに考えて指示。堂々とした振る舞いをしている印象も受けるが、本人にその実感はないようだ。慎重に周りを見て、相手の動きを見極めてその攻撃を止めている。

 性格面については、主将のDF木村一世(3年)も「結構“臆病”なのでメンタル面では弱いんですけれども……」と指摘するが、一方で「最近は強い気持ちでできるようになってきた」と成長を認めていた。

 関根は小学校5年生でフィールドプレーヤーからGKへ転身。上級生とのフィールドでのプレーに自信が持てなかったが、GKでは自分に自信が芽生え、ミスも修正することができたという。「小学5年生で始めてやった時から、自分はもうこのポジションをやらないといけない、使命だと思いました」。自分に自信を持てずに始めたGKだったが、武蔵越生を勝たせ続けて、先輩たちとともに県決勝のピッチに立つことになった。

 自分を励まし、ミスをカバーしてくれる先輩たちには感謝しかない。もっともっと恩返しできるように、昌平高との決勝でも慎重に、強い気持ちも発揮し続けてゴールを守り抜く。

PK戦3人目、武蔵越生高の1年生GK関根拓郎がストップ

(取材・文 吉田太郎)
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