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ロングスロー炸裂の昨年度4強・矢板中央、2年連続で初戦PK戦制す! 徳島市立は惜しくも敗退

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PK戦を制した矢板中央(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 矢板中央高 1-1(PK6-5) 徳島市立高 ニッパ球]

 第99回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場の第2試合では矢板中央高(栃木)と徳島市立高(徳島)が対戦した。試合は1-1からPK戦に突入し、矢板中央がPK6-5で勝利。あす3日の3回戦では東福岡高(福岡)と対戦する。

 序盤から迫力のセットプレーで押し込む矢板中央は飛距離の出るDF島崎勝也(2年)の超絶ロングスロー、MF升田大誠(3年)の正確なキックでチャンスを量産する。前半5分には右後方からのFKで升田のキックにFW新倉礼偉(3年)がヘッドで合わせ、ファーストシュート。島崎のロングスローの流れから21分にMF唐橋玖生(2年)、34分には新倉が右足シュートでゴールを強襲した。

迎えた前半35分だった。升田が左CKを蹴り込むと、187cmの新倉と188cmの島崎にマークがつく中で170cmのDF小出勇翔(2年)が高い打点から強烈ヘッドで叩き込んだ。前半のうちに先制に成功した矢板中央に対して、徳島市立はシュート0本で前半を折り返した。

 堅守速攻を持ち味とする両者の対決。耐える時間が続いた徳島市立だったが、後半24分にワンチャンスを仕留めた。スローインの流れから、左コーナーフラッグ付近で相手DFと入れ替わったFW石井嵩也(3年)がマイナス方向に戻すと、走り込んだ主将のMF中田舜貴(3年)が右足ダイレクトで合わせ、強烈なシュートをゴール右隅に突き刺した。

試合を振り出しに戻した徳島市立は守備の強度も上げ、一気に流れを引き寄せる。セットプレーの場面で徳島市立は182cmのDF渡邉浩章(3年)と187cmのDF三倉頼真(3年)が高さを生かしてチャンスを狙うが、矢板中央も190cm近い新倉と島崎のCBコンビがマークに付き、互いに制空権を譲らない。

 矢板中央は失点後の後半25分、負傷明けのDF坂本龍汰(3年)が交代で入り、キャプテンマークを巻いた。徳島市立は後半27分、CKの流れから渡邉がヘディングシュートで狙う決定機をつくれば、矢板中央も後半34分、島崎が17本目のロングスローを投げ込むと、ファーサイドに流れたボールにMF星景虎(2年)が反応。強烈な右足シュートを放つと、相手DFに当たったボールがクロスバーを叩いた。

 勢いを増す徳島市立は後半39分、逆転のチャンスを迎える。DF前田俊(3年)のフィードで背後に抜け出したMF前川泰聖(3年)がPA左からマイナス方向に戻し、FW石井嵩也(3年)がラストパス。フリーの中田が決定的なシュートを打ったが、惜しくも枠を外れた。徳島市立は後半アディショナルタイムにGK藤澤芭琉(1年)を送り込み、GKを変えてPK戦に突入した。

 昨年度4強の矢板中央、昨年度8強の徳島市立は揃って2大会連続で初戦がPK戦に。先行の矢板中央は6人目まで全員が成功すると、前回大会で大会優秀選手に選出されたGK藤井陽登(2年)が6人目をストップ。 「初戦は苦しいゲームになると予想していたが、今年もPK合戦でなんとか乗り越えた」と高橋健二監督。PK6-5で勝利した矢板中央が3回戦に進出した。

(取材・文 佐藤亜希子)
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