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[MOM3607]越谷西MF長谷部碧(3年)_シャビのように何百回と首を振り、受けてさばいて高精度キックも

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越谷西高の“隠れた名手”MF長谷部碧

[10.23 選手権埼玉県予選3回戦 正智深谷高 1-2 越谷西高]

「S2(埼玉県2部)リーグの方でも自分が周りにボールをさばいだりできていて、きょうもみんながいっぱいボールをつけてくれて、『自由にやって良いよ』と言われていたので、いつもより伸び伸びできたと思います」。越谷西高はインターハイ予選優勝校の正智深谷高に主導権を握られる時間帯が長かったものの、奪ったボールを丁寧に、正確に繋いで反撃。その中心になっていたのが、MF長谷部碧(3年=FELEZA出身)だった。
 
「自分が中盤の真ん中で受けて、そこでチームを落ち着かせようと思って、顔出すことを意識していました」という長谷部はポジショニングよくボールを受けて、さばいてを繰り返す。そして、中盤中央でタメを作ったり、運ぶドリブルでプレッシャーを剥がして前進。巧さで強豪・正智深谷に対抗し、一際輝くようなプレーをしていた。

 プレーモデルは元スペイン代表MFの名手、シャビだ。「スペイン代表のシャビ選手の動画を見たりして、試合中に何百回と首を振っていたので、自分にも取り入れようと思っていました」。それによって判断がより速く、正確になり、積み重ねてきた技術力もより活かせるようになった。

 また、キックを高校進学後に伸ばすことができているという長谷部は、プレースキックで2得点を演出。後半28分、右サイド後方からのFKを狙い通りにFW南雲皓太(3年)の頭に合わせ、FW長岡優雅(3年)の同点ゴールに繋げた。

 さらに後半ラストプレーでは「当たればゴールというボールを意識していた。低いボールで威力があって、そのまま(飛び込んでくる味方に)当てて入るイメージだった」という右足CK。威力のあるボールを正智深谷DFがクリアし切れず、オウンゴールで決勝点となった。

 守備面の課題があることは確か。それでも、正智深谷相手に自分の武器を思い通りに近い形で発揮し、チームを勝利へ導いた。「正智深谷相手にできたことはこれからの自信になると思います」。まずは、この日の自分のプレーを見つめ直すこと。そして、初の4強入りを懸けた準々決勝でも、自分の判断力と技術力を越谷西のために最大限活用して歴史を変える。

(取材・文 吉田太郎)
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