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ともに全中出場した旧友3人と激突。武南の注目DF中村優斗主将「絶対に勝ってやろう」の思いで勝利

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武南高の注目DF中村優斗主将(右)が小中のチームメート、細田学園高右SB小川颯とマッチアップ

[10.31 選手権埼玉県予選準々決勝 細田学園高 0-1 武南高]

 4強入りを懸けて対戦した細田学園高の最終ラインにはAZUMI FC、朝霞第二中(ともに埼玉)を通してチームメートだった右SB小川颯(3年)と左SB五十嵐隆成(3年)、そしてCB吉岡陸斗(3年)がいた。

 武南高の注目DF中村優斗主将(3年=朝霞第二中出身)は、“旧友対決”を「凄く楽しかったです」と振り返る。中村は18年全国中学校大会に朝霞第二中の10番を背負い、小川、五十嵐、吉岡とともに出場。かつての仲間たちはこの日、ライバルとして自分の前に立ちはだかった。

 この日、中村は地元が同じ朝霞市で、3戦連続2得点中の細田学園FW金子弘輝主将(3年)を警戒。普段は3バックの左を務めるが、怪我明けでコンディション面を考慮したことと、「相手の9番(金子)も結構収まるので自分が見ようと」という理由で中央のポジションに入った。

 中村の特長は自陣PAからでも難なく相手をいなしながらドリブルで運ぶ力と長短のパス。3バックの中央では特にドリブルの部分を発揮しづらい状況だったが、内野慎一郎監督から「オマエの特長を出せ」ということ以外、全任されているDFは守備に重きを置いて戦う決断をした。

 金子に幾度か背後を突かれるシーンがあり、五十嵐のクロスから決定的なヘッドも打たれたが、一方でボール奪取能力の高さを発揮して無失点。「(吉岡から)『負けないよ』とハーフタイムに言われたので、そこは絶対に勝ってやろうと」と闘志に火のついた中村は後半、小川とのマッチアップから強引に仕掛けてラストパスを狙ったほか、積極的にグラウンダーの縦パスも狙っていた。

 パスを引っ掛けてしまうシーンもあったが、攻守両面で能力の高さを示して1-0勝利。「今まで仲間として中学3年間やってきて、全国大会も出て、でもやっぱり同じ地区の人が多いので自分負けられないと言うか、『絶対に倒してやろう』という気持ちで勝てたので良かったです」と微笑んだ。武南にとって15年ぶりの選手権まであと2勝。選手権で「チームとしても、個人としても名を広めたい」と意気込む中村は、旧友たちの思いも背負って、これからの戦いに臨む。

(取材・文 吉田太郎)
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