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経験積み重ねて成熟し、勝負強さも。帝京大可児が6-0で岐阜決勝へ

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前半33分、DF糸魚川侃太郎のゴールを帝京大可児高の選手たちが祝福

[11.6 選手権岐阜県予選準決勝 帝京大可児高 6-0 大垣工高 長良川メドウ]

 第100回全国高校サッカー選手権岐阜県予選の準決勝が6日に行われ、帝京大可児高大垣工高が対戦。FW永井斗梧(2年)のハットトリックの活躍などによって、帝京大可児が6-0で快勝した。

 10月から再開したプリンスリーグ東海で、けが人が相次いだ帝京大可児。この日も主将の関駿太郎(3年)や湘南内定のMF鈴木淳之介(3年)がベンチスタートとなったが、MF三品直哉(3年)が「練習から誰が出ても、自信を持って、やれるように意識している」と話す通り、序盤から主力不在を感じさせない試合運びを見せた。

 大量得点の口火を切ったのは前半2分。DF熊澤伶(3年)からのパスを受けた永井が、スピードを活かして右サイドを突破。ゴール前に入れたクロスをFW松永悠碁(3年)がヘディングで合わせて、ゴールネットを揺らした。

 幸先の良いスタートを切ってからは、長い芝生に苦しみ、効果的なボール回しが出来なかったが、前半半ばの引水タイムに軌道修正。すると、すぐさま効果が生まれ、20分には後方からのパスを受けた三品が右サイドを突破。そこから中央に入ったパスを松永が素早くPA左に流し、最後は永井が冷静に2点目を奪った。

 右サイドからの連続ゴールに続き、29分には左からも得点が生まれた。DF細野斗亜(3年)、MF鈴木理貴(3年)と繋いだボールを永井が決め、スコアは3-0に。33分には、三品の右CKからDF糸魚川侃太郎(3年)がヘディングシュートを決めた。前半終了間際には、永井がハットトリックを達成するゴールを決めて、5点リードで前半を終えた。

 さらに後半3分には、右ポストに当たった三品の左足シュートをMF大西歩己(3年)が押し込んだ。4人入れ替えた以降は、追加点が奪えなかったが、ボールロスト後には素早く攻守を切り替え、カウンターを狙う大垣工に反撃の機会を与えない。危ない場面は、4分にサイドからのリスタートで打たれたFW山川航生(3年)のシュートくらい。大垣工の中盤で奮闘を続けたMF岡崎翔吾(3年)や、MF谷口朝都(2年)に上手く仕事をさせず、無失点でタイムアップを迎えた。

「自分たちのサッカーが出来なかった」と三品が振り返るインターハイ予選の準決勝・中京高以降は、夏休みのフェスティバルで対戦した青森山田高を含め、様々なタイプのチームと試合を重ねてきた。経験値の積み重ねにより、子気味良いパス回しで相手の逆を取りながら前進していく帝京大可児スタイルが成熟し、勝負強さも出てきた。大量得点によって気を緩めることなく、無失点で試合を終えたのも、そうした成果。仲井正剛監督は、「勝ち切るためにどうすれば良いのか積み重ねてきたはず。その部分では5月よりも変わった所は見せられると思います」と口にする。

 3連覇がかかった決勝戦の相手は、夏に敗れた中京。リベンジにかける想いは、選手、監督共に強い。鍵となるのはメンタル面。「人間的にはやっぱり大人しい。凄くいい子です。けど、戦うという所になった時に、弱みを見せてしまうので、そこが強くならなければいけない課題」と話すのは仲井監督で、「中京戦で戦える集団になれるかがポイント」と続ける。決勝で、そうした変化を見せつけることが出来れば、全国でも戦えるチームになれるはず。一皮むけた逞しいチームになるためにも、決勝戦での白星は欠かせない。

(取材・文 森田将義)
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