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2年前の優勝チームを知る静岡学園GK生嶋健太郎の感触…「雰囲気が近づいてきている」

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静岡学園の主将であり正GKである生嶋健太郎は神戸U-15出身(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権3回戦 宮崎日大高 0-8 静岡学園高 フクアリ]

 8得点という鮮烈なゴールラッシュで準々決勝進出を決めた、静岡学園高(静岡)。55回大会(1976年度)と74回大会(1995年度)で同校が記録していた6ゴールを上回り、歴代最多得点記録にとなった。

 2回戦・近大和歌山高(和歌山)戦では1得点と「攻撃陣が停滞した」(川口修監督)が、中1日で迎えた3回戦では、しっかりと調子を上げてきた。主将のGK生嶋健太郎(3年)は、「点をとる動画を見たりして、攻撃のパターンというか、嗅覚を身につけられたかなと思います」と2回戦後に修正をしたと言い、YouTubeで川崎フロンターレの得点シーンを見て感覚を磨いたという。

 1回戦から3回戦までの3試合で14得点と、その攻撃力を見せつけている静岡学園において、見逃せないのは守備力の高さだ。両SBが高い位置をとるなど前に人数をかけていたが、相手に危ないシーンをつくられることは皆無だった。3試合連続で失点0というだけでなく、記録では被シュートは3試合でわずかに5本と、攻守で相手を圧倒している。

「リスク管理を徹底していた」と、最後尾からチームを引き締める生嶋は、守備陣をたたえる。「静学だと攻撃が注目されるんですけど、攻撃している間のリスク管理というところで、CBをはじめ、SB、中盤と、カウンターを受けない、スキをまったくつくらない、というところを意識してやってきた」と胸を張る。宮崎日大高(宮崎)の朝倉大志監督も、「プレッシャーが早くて、いいシーンが出せなかった」と静岡学園の守備を讃えた。

 選手権を制した2年前、生嶋は出場機会こそなかったが、1年生でメンバー入りをしている。優勝時のチームを知る守護神は、「雰囲気が近づいてきている」と感じているという。「得点のところもそうですし、失点していないところでも2年前のチームと似ているなと思っていて」と指摘。実際2年前の静岡学園は、6-0、 3-0、 2-0、4-0、1-0と、ゴールを奪いつつクリーンシートを達成してトーナメントを勝ち上がり、決勝では青森山田高(青森)を3-2で下して頂点に立った。

 次戦は4日、フクダ電子アリーナで関東一高(東京B)と対戦する。「1試合1試合通じて、チームがより成長していると感じています。次の試合はより成長した姿を見せられたら」と生嶋。3度目の日本一に向けて、静岡学園はさらなる進化を見せていくつもりだ。

(取材・文 奥山典幸)

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