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インハイVの“陰の立て役者”。前橋育英CB齋藤駿は結果で「見られ方」を変え、先輩たちを「超えたい」

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前橋育英高のインターハイ日本一に貢献したCB齋藤駿(3年=浦和レッズジュニアユース出身)は、より結果を求める

「超えたいと思っている」存在がいる。CB齋藤駿(3年=浦和レッズジュニアユース出身)は、名門・前橋育英高(群馬)の守備の要。今夏のインターハイでは5試合でわずか1失点という堅守を披露し、日本一に輝いている。

 齋藤は184cmの長身に加え、50m走6秒フラットの俊足。インターハイでは高さを活かしたヘディングと前への強さ、そして「自分がDFリーダーという自覚を持って、他の人のミスでも自分がカバーして失点を防げたらなと思っているので、カバーリングは毎回意識しています」という幅広いカバーリングで日本一の“陰の立て役者”になった。

 大会トップクラスのCBであることを示した夏。だが、注目を集めたのは、MF徳永涼主将(3年)を筆頭とする中盤や、10番FW高足善(3年)とFW小池直矢(3年)らFWの選手たちだった。ゴール前で無理が利く部分を含めてもっと評価されても良い印象だが、齋藤はそれを結果で変えなければならないと考えている。

「結果が全てなので。普通の(やるべき)プレーもそうなんですけれども、結果を残して周りの人に見てもらいたい。そうすれば、『見られ方』も変わるのかなと。ロングボールでアシストを狙って行ったり、無失点にこだわったり、無失点が続けばDFラインにも注目が行くと思います」。インターハイでは、矢板中央高(栃木)との準々決勝でロングスローから奪われた1失点のみ。内容のある守備ができたが、より強固な守備を構築し、ゼロにこだわる意気込みだ。
 
「超えたい」選手たちがいる。それは昨年度のチームで主将を務めたCB桑子流空(現東海大)や、選手権初制覇(17年度)した際の2CB、角田涼太朗(現横浜FM)と松田陸(現金沢)といった先輩CBたちだ。特に鉄壁の守りで前橋育英の歴史を変えた角田と松田は目標とする存在。「そこは目指していて、『超えたい』と思っている」。結果で肩を並べ、大学を経由して同じステージに立つことを目指していく。

 見て欲しいところは、「1対1の対人の強さと、守備のところのカバーリング、足の速さとかヘディングの強さ」。武器の一つであるヘディングだが、プレミアリーグで対戦するFWを常に上回るものにレベルアップしなければならない。また、自信を持ってリーダーシップを発揮していくことも自分自身に求めていく。

 将来はDFルベン・ディアス(マンチェスター・シティ)のように闘争心、統率力、得点力、ビルドアップ力も備えたDFになることを目指す齋藤が、より武器を磨き、結果を残す。そして、高校時代から注目されていた角田や松田同様に選手権日本一を勝ち取り、次のステージへ進む。

(取材・文 吉田太郎)
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