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逆転V導く2発も「まだまだ」のヒーロー。FW福田秀人はより米子北を引っ張る選手に

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後半9分、米子北高のU-17日本高校選抜FW福田秀人(3年=鳥取市立南中出身)が勝ち越しヘッド

[10.29 選手権鳥取県予選決勝 米子北高 2-1 鳥取城北高 Axis]

 逆転Vへ導く2発。米子北高のU-17日本高校選抜FW福田秀人(3年=鳥取市立南中出身)が、高い得点嗅覚を示した。0-1の後半5分、ロングスローから相手守備の乱れを逃さずに同点ヘッド。その4分後にも右クロスをファーから頭でゴールに叩き込んだ。

 登録身長163cmの小柄なFWが頭で2得点。「自分が点を決めてチームに貢献したいと思っていたので、2得点できたことはとても嬉しく思います」。ゴール前での絶妙なポジショニングはその後も光った。だが、この日は巧みな抜け出しからGKと1対1になったシーンが3度4度とあったものの、ことごとくGKに阻まれて、カバーのDFにクリアされてしまう。

 80分間で見ると、“2ゴールしか獲れなかった”という印象。中村真吾監督もヒーローに対し、「2点は獲ったけれど、まだまだ点を獲れた部分もあるし、彼は色々な経験をしているから。自分のプレーもそうだし、チームを引っ張っていかないといけない。チームを引っ張る部分では全然」と厳しい。

 本人も、「ゴールは決めて勝てたことは良かったと思うんですけれども、プレー一つひとつの質が低いと思うし、もっと全国大会ではもっと質を上げていかないと通用しないところがあると思うので、まだまだだと思います」と首を振った。

 前半から鋭い裏抜けや崩しに係わる動きを繰り返し、攻守の切り替えも人一倍速かった。相手のクリアを阻止するために2度追いすることも、身体を投げ出すことも厭わずにハードワーク。「運動量面では、意識して最後まで走り切るということを自分の中でしっかり持って戦いました」と振り返る。PA付近でテクニックを発揮し、決定的なラストパスも。だが、より背中でチームを引っ張らなければならないことを福田は理解している。より期待に応えられるように、自分とチームに求めて、選手権ではより逞しく米子北を引っ張る。


(取材・文 吉田太郎)
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