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「自分を成長させたい」「将来はプロに」岡山学芸館MF岡本温叶は高校日本一を経て大学へ

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右のサイドハーフで岡山学芸館の日本一に貢献したMF岡本温叶(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.9 選手権決勝 岡山学芸館高 3-1 東山高 国立]

 努力が報われた瞬間だった。岡山学芸館高(岡山)のMF岡本温叶(3年)は、「いままで日本一になるために練習してきて、それがこうやって成果となって表れて本当に嬉しいです」と表情を崩した。

 岡山学芸館のレギュラーのうち、岡本、FW今井拓人(3年)、DF井上斗嵩(3年)の3選手は、岡山県倉敷市のハジャスFCの出身。岡本が岡山学芸館でサッカーをするうえで、今井は大きな存在だったという。

「先に拓人が学芸に行くと決まって、自分は正直まだ学芸という選択肢はあまりなくて。でも高原監督に誘ってもらったときに一番決め手になったのは拓人の存在だと思います。拓人がいたから、ここまで頑張れたっていうのはあると思います」。

 同じ攻撃のポジションである今井とは、切磋琢磨してきた。「コロナでチームの練習がなかったときに、地元が近いんで、近くのグラウンドで一緒にずっとボールを蹴っていた」という仲だという。

「一番努力している選手」とは、1学年後輩のGK平塚仁(2年)の岡本評だ。準決勝・神村学園戦では左足で起死回生の同点ミドル。後ろから8番のプレーを見ていた平塚は、「最後まで練習する人なので。左足でコントロールでカーブで決めるのはずっと一緒にグラウンドで練習していたので、こういうときに一番努力している選手がやってくれるのはすごい感動しました」と敬意を表す。

 そんなストイックな岡本は、日本一というタイトルを手にし、大会優秀選手に名を連ねても「今大会を通して自分のプレーには全然満足はできてない」という。大会優秀選手に「入ったことは嬉しい」と前置きしつつ、「もう何段階もレベルアップしないといけない」と自らに成長を課す。

「どんな相手でも縦に剥がしてクロスっていうのは通用する」と1対1の仕掛けでは、全国の舞台で手応えをつかんだ。それでも、「シュートを決める力がまだ足りなかった」と得点力に課題があることを自省する。それは、次の目標をかなえるため。次は、ステージを大学に移す。「関東のレベルの高いところで自分を成長させたいっていうのと、将来プロになりたいので見てもらえるところでやりたい」と先を見据える岡本は、中央大学への指定校推薦をつかんだ。

「大学で力をつけていきたい」。来年、関東大学サッカーリーグ1部に昇格する中央大学で、岡本はレベルアップを誓った。

(取材・文 奥山典幸)
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